「投資なんてギャンブルだ。」
「株なんて怖い。」
「銀行に預けておけば安心。」
こうした言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
もちろん、投資にはリスクがあります。
しかし一方で、何もしないことにもリスクがあるという事実は、意外なほど知られていません。
現代社会では、「投資をする人」と「しない人」の違いは、単なるお金の運用方法の違いではありません。
それは数十年後、人生そのものを大きく左右する”考え方の違い”なのです。
イソップ童話「酸っぱい葡萄」は現代にも生きている
イソップ童話に、こんなお話があります。
お腹を空かせたキツネが、美味しそうな葡萄を見つけました。
何度ジャンプしても届きません。
結局あきらめたキツネは、
「どうせあの葡萄は酸っぱい。」
と言い残して立ち去ります。
本当は欲しかった。
でも手に入らない。
だから、
「価値がないものだった」
と思い込むことで、自分の心を守ったのです。
実は、この心理は現代でも毎日のように起きています。
「投資はギャンブル」という自己防衛
最近では新NISAの普及もあり、多くの人が少額から資産形成を始めています。
しかし一方で、
「投資は危ない。」
「株なんて博打だ。」
「汗水流して働くのが一番。」
と言って、一歩も踏み出さない人もいます。
もちろん、その考え方を否定するつもりはありません。
ですが、その言葉の裏側には、
「よく分からない。」
「失敗したくない。」
「勉強するのが面倒。」
そんな不安が隠れていることも少なくありません。
心理学ではこれを
認知的不協和
と呼びます。
人間は「やらない理由」を探す天才
認知的不協和とは、
自分の行動と現実が矛盾するとき、その不快感を減らそうとする心の働きです。
例えば、
「投資した方がいいとは聞く。」
でも、
「自分はやっていない。」
この矛盾はストレスになります。
すると脳は、
「投資なんて危険だ。」
「やらない自分の方が正しい。」
という理由を作り出します。
つまり、
勉強するより、否定した方が楽なのです。
これは誰にでも起こる、人間らしい心理です。
資本主義は「働くだけ」では追いつけない
フランスの経済学者トマ・ピケティは、
有名な数式を示しました。
r > g
この意味は、
資産運用による利益(r)の方が、
給料の伸び(g)より長期的に大きい
ということです。
つまり、
働くことが悪いのではありません。
むしろ働くことは大切です。
しかし、
働くだけでは資産を増やすスピードに限界がある。
これが現代資本主義の現実なのです。
エスカレーターに乗る人、逆走する人
想像してみてください。
上へ向かうエスカレーターがあります。
投資をする人は、そのエスカレーターに乗っています。
もちろん途中で揺れることもあります。
時には止まることもあります。
しかし長い目で見れば、少しずつ上へ進みます。
一方、
投資をしない人は、
そのエスカレーターを歩いて逆走しています。
どれだけ頑張っても、
前へ進みにくい。
これが資本主義というゲームのルールなのです。
ルールを知らずに戦うことほど、不利なことはありません。
「貯金だけ」は本当に安全なのか?
よく聞く言葉があります。
「私は投資はしません。貯金しています。」
確かに銀行預金は元本割れの可能性が低く、安全性は高いでしょう。
しかし、
インフレが続けば話は変わります。
例えば、
100万円が銀行にあっても、
物価が20%上がれば、
買える物は実質80万円分になってしまいます。
数字は減っていません。
しかし、
お金の価値は減っているのです。
つまり、
何もしないことも、
実は一つの投資判断なのです。
しかも、
日本円だけに全財産を集中させるという選択でもあります。
投資は「世界の成長」に参加すること
インデックス投資は、
一攫千金を狙うものではありません。
世界中の企業が、
新しい技術を生み、
便利なサービスを作り、
人々の生活を豊かにする。
その成長を、
少しだけ分けてもらう仕組みです。
AI。
半導体。
医療。
宇宙開発。
再生可能エネルギー。
世界は今この瞬間も進歩しています。
投資とは、
その進歩を信じることでもあります。
現代の格差は「お金」ではなく「考え方」から始まる
昔は、
生まれた家柄で人生が決まりました。
しかし現代では、
情報も制度も、多くの人に開かれています。
新NISAのように、
少額から始められる制度も整いました。
それでも、
始める人と、
始めない人がいます。
この違いを生むのは、
資金力ではありません。
**考え方(マインドセット)**です。
時代に合わせて学び続ける人。
昔の常識だけを信じ続ける人。
この差は、複利のように年々広がっていきます。
まとめ
「投資はギャンブル。」
そう決めつける前に、一度考えてみてください。
本当に危険なのは投資でしょうか。
それとも、
インフレが進む中で何もしないことなのでしょうか。
イソップ童話のキツネは、
届かなかった葡萄を
「酸っぱい。」
と言って帰りました。
しかし、
現代の私たちには違う選択肢があります。
少し勉強し、
少し勇気を出し、
少額から始めることができます。
資本主義というゲームは、好き嫌いに関係なく、誰もが参加しているゲームです。
だからこそ大切なのは、「参加するか、しないか」ではありません。
どのようなルールで動いている世界なのかを知り、その上で自分自身の意思で選択すること。
その積み重ねが、10年後、20年後、そして老後の安心へとつながっていくのではないでしょうか。


コメント