かつて日本一売れた伝説の投資信託「グローバル・ソブリン・オープン」を今あらためて考える
投資歴が長い方なら、
一度は聞いたことがあるでしょう。
「グロソブ」
という名前を。
今の若い投資家は、
S&P500
オルカン
FANG+
SOX指数
ばかりに注目しています。
しかし20年前、
日本の投資信託業界を席巻したのは、
AIでも半導体でもありませんでした。
世界の国債に投資する
「グローバル・ソブリン・オープン」
だったのです。
今回は、
かつて日本一売れた伝説のファンド
「グローバル・ソブリン・オープン(1年決算型)」
について、
今の時代でも持つ価値があるのかを考えてみます。
グロソブとは何なのか?
ひとことで言えば、
世界の先進国の国債に投資するファンド
です。
「ソブリン(Sovereign)」
とは国家や政府を意味します。
つまり、
アメリカ
イギリス
フランス
カナダ
など、
信用力の高い国が発行する債券に投資する商品です。
企業の株ではありません。
国への貸付です。
なぜ昔は大人気だったのか?
時代背景を知らないと、
グロソブ人気は理解できません。
1990年代後半。
日本は超低金利時代に入りました。
銀行にお金を預けても、
ほとんど利息が付かない。
そこで注目されたのが、
海外の高金利国の国債でした。
さらに、
毎月分配金が受け取れる
「毎月決算型グロソブ」
が大ヒット。
特に年金生活世代には、
非常に魅力的だったのです。
当時は伝説的な人気
全盛期には純資産総額が数兆円規模。
日本で最も有名な投資信託の一つでした。
今のオルカン人気に近い存在です。
1年決算型とは?
今回のテーマである
「1年決算型」
は少し違います。
毎月分配金を出しません。
利益をファンド内部に残して、
複利で増やしていくタイプです。
現在の投資理論で考えれば、
毎月分配型より合理的です。
メリット① 安全性が高い
投資先は世界の主要国。
企業倒産のようなリスクは基本的にありません。
もちろん、
国債価格は変動します。
しかし、
FANG+のように
1日で10%下落するような世界ではありません。
メリット② 円安に強い
実はここが重要です。
グロソブは基本的に為替ヘッジなし。
つまり、
円安になると基準価額が上昇します。
近年のような
1ドル160円近辺まで進んだ円安局面では、
債券ファンドとしては驚くほど健闘しました。
メリット③ 暴落時の安心感
株式市場が暴落すると、
多くの投資家は精神的に耐えられません。
しかし国債中心のファンドは、
比較的値動きが穏やかです。
資産防衛には有効です。
しかし問題もある
ここからが本音です。
最大の問題は手数料
信託報酬は
約1.375%
これは現在の基準で考えると、
かなり高い。
例えば、
低コストの先進国債券インデックスなら、
0.15%前後。
約10倍近い差があります。
債券投資で高コストは致命的
株式なら、
年10%以上の成長もあります。
しかし国債の利回りは、
そんなに高くありません。
利益が少ない世界で、
毎年1%以上取られるのは重い。
金利上昇の影響
債券には絶対ルールがあります。
金利上昇
↓
債券価格下落
近年の世界的インフレで、
アメリカも欧州も大幅利上げを行いました。
結果として、
債券価格は大きく下落しました。
円安のおかげで見た目は支えられましたが、
中身は決して楽ではありませんでした。
今から買う意味はあるのか?
結論から言えば、
新規で積極的に買う理由は薄いです。
なぜなら、
同じような投資内容を、
もっと安い手数料で実現できるからです。
現在なら、
先進国債券インデックスファンドの方が合理的です。
それでも学ぶ価値はある
グロソブは、
投資の歴史を学ぶ教材として非常に優秀です。
なぜなら、
投資家心理が見えるからです。
2000年代
↓
毎月分配金が人気
↓
高齢者に大ヒット
↓
資産形成より受取重視
2020年代
↓
オルカン
↓
S&P500
↓
資産形成重視
時代によって、
投資家の価値観が変わることが分かります。
これまで紹介したファンドとの比較
| ファンド | 特徴 |
|---|---|
| FANG+ | 世界最強IT企業10社 |
| SOX | 半導体業界全体 |
| netWIN | テクノロジー全般 |
| AB米国成長株 | 米国エリート企業 |
| AB米国割安株 | 守備力重視 |
| ROBOPRO | AIによる資産配分 |
| グロソブ | 世界の国債中心 |
攻撃力で並べると、
FANG+
↓
SOX
↓
AB米国成長株
↓
AB米国割安株
↓
ROBOPRO
↓
グロソブ
となります。
投資家は年齢で考えるべき
20代〜40代
↓
資産を増やす時期
↓
株式中心
50代〜60代
↓
守りも考える時期
↓
債券や現金も必要
つまり、
若い頃は鉾。
年齢を重ねたら盾。
これが資産運用の基本です。
まとめ
グローバル・ソブリン・オープンは、
かつて日本一売れた伝説の投資信託です。
世界の国債に投資することで、
安定性と安心感を提供してきました。
しかし現在は、
低コストインデックスファンドの時代。
投資対象そのものは魅力があっても、
高い手数料を考えると、
新規購入の優先順位は高くありません。
ただし、
投資の歴史を振り返ると、
グロソブが教えてくれることがあります。
投資において本当に大切なのは、
流行を追うことではなく、
自分の年齢や目的に合わせて、
「攻め」と「守り」のバランスを考えること。
グロソブは、その「守り」の代表選手として、日本の投資史に大きな足跡を残したファンドなのです。

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