いよいよ、嫌な相場になってきました。
株安。
そして円高。
これまで好調だった米国株も、少しずつ雲行きが怪しくなってきました。
S&P500。
NASDAQ100。
そして、比較的安心感があると思われていたオルカンまでも下落基調。
投資信託の評価額を開いてみると、
「あれ?」
「昨日より減っている……」
そんな日が増えてきました。
これまで順調に増えていた資産が、まるで坂道を転げ落ちるように減っていく。
しかも、株価だけではありません。
日本から米国株や海外資産に投資している人にとっては、円高というもう一つの逆風があります。
海外資産そのものが下落し、さらに円高によって円換算の評価額まで押し下げられる。
ダブルパンチです。
こうなると、さすがに怖くなります。
「このまま持っていて大丈夫なのか?」
「いったん売ったほうがいいのでは?」
「もっと下がったところで買い直したほうが得なのでは?」
そんな考えが頭をよぎります。
しかし、ここで一度、立ち止まって考えてみたいと思います。
これから、どうしますか?
ここで質問です。
これから、どうしますか?
市場から退場しますか?
それとも、
市場に居続けますか?
もちろん、投資には絶対的な正解はありません。
生活防衛資金まで投資しているのであれば、リスクを下げることも必要でしょう。
近いうちに使う予定のお金なら、株式市場から離しておくべきです。
しかし、長期的な資産形成を目的として、余裕資金でS&P500やオルカンなどに積立投資をしているのであれば、
ここで市場から完全に退場してしまうことが、本当に正しいのでしょうか?
私は、そこが非常に重要なポイントだと思っています。
怖いですよね。普通に怖いです
「長期投資だから大丈夫」
「株価は長期的には上がる」
「暴落は買い場」
頭では分かっています。
でも、
実際に自分のお金が減っていくと、やっぱり怖い。
これは当たり前です。
10万円の含み益がなくなる。
30万円の含み益がなくなる。
100万円あった評価益が、50万円になってしまう。
あるいは、含み損に転落する。
数字だけを見ていれば簡単な話ですが、そこに「自分のお金」が乗っかると、精神的にはまったく違います。
だから、
「暴落でも平気です」
なんて、簡単には言えません。
怖いものは怖い。
不安になるものは不安になる。
それでいいと思います。
むしろ、
怖いのに、それでも自分のルールを守れるか。
そこに長期投資の難しさがあるのではないでしょうか。
みんなが怖がっているとき、市場から逃げたくなる
相場が上昇しているときは、投資は簡単です。
S&P500が上がる。
NASDAQ100が上がる。
オルカンも上がる。
評価額が毎日のように増えていく。
SNSを見ても、
「資産が○○万円増えました!」
「最高値更新!」
「投資していてよかった!」
そんな景気のいい話が並びます。
こういうときは、積立投資を続けることも、それほど苦痛ではありません。
ところが、一転して相場が崩れると空気が変わります。
ニュースは悲観的になる。
SNSには不安の声が増える。
「暴落が来る」
「まだ下がる」
「米国株は終わった」
「円高で資産が減った」
そんな言葉が目に入ってきます。
そして、今まで淡々と積み立てていた人でさえ、
「もうやめようかな……」
と思い始める。
これは、とても自然な心理だと思います。
でも、そこで退場したらどうなるのか?
ここが、長期投資で非常に怖いところです。
相場が下がって怖くなり、
「いったん売っておこう」
と市場から退場する。
その後、さらに株価が下がる。
「やっぱり売って正解だった」
と安心する。
ところが、いつか市場が回復し始めます。
しかし、そのときには、
「まだ早い」
「もう少し下がるかもしれない」
と考えて、なかなか買い戻せない。
そして株価が上がり続け、
「そろそろ買わないと……」
と思ったころには、以前売った価格よりずっと高くなっている。
そこで慌てて買い戻す。
結果として、
高値掴み → 下落 → 狼狽売り → 上昇 → 高値で買い戻す
という、最も避けたい行動を取ってしまう可能性があります。
これでは、何のために長期投資を始めたのか分かりません。
「高値掴み・狼狽売り」という投資家の典型的な失敗
投資で難しいのは、
「安いときに買う」
ことではありません。
本当に難しいのは、
安くなっているときに、怖くても買い続けること。
そして、
高くなっているときに、欲を出しすぎないこと。
この二つです。
人間の心理は面白いものです。
株価が上がっているときには、
「もっと上がるかもしれない」
と思って買いたくなる。
逆に株価が下がると、
「まだ下がるかもしれない」
と思って売りたくなる。
つまり、
高いところで欲しくなり、安いところで怖くなる。
これが人間です。
だからこそ、積立投資のように、
「感情ではなくルールで買う」
という仕組みが意味を持ってきます。
「恐怖の中で淡々と積み立てる」という難しさ
もちろん、
「みんなが恐怖を感じているときこそ、貪欲に買え!」
という言葉を、そのまま鵜呑みにする必要はありません。
生活費を削ってまで買う必要もありません。
借金して投資する必要もありません。
暴落したからといって、全財産を一気に投入する必要もありません。
大切なのは、
自分が決めた金額を、決めたルールで、淡々と積み立てること。
これではないでしょうか。
市場が好調なときも積み立てる。
市場が不調なときも積み立てる。
S&P500が下がっても積み立てる。
NASDAQ100が下がっても積み立てる。
オルカンが下がっても積み立てる。
円高になって評価額が減っても、必要以上に慌てない。
もちろん、資産配分や生活資金に問題がないことが前提です。
そのうえで、
「今月もいつも通り買う」
という単純な行動を続ける。
実は、これが一番難しいのです。
円高だからこそ、見方を変えれば「バーゲン」でもある
日本から海外資産に投資している人にとって、円高は確かに短期的には痛いものです。
米国株が変わらなくても、円高になれば円換算の評価額は下がります。
さらに株価まで下落すれば、評価額はもっと下がります。
しかし、これからも長期間にわたって海外資産を積み立てていくのであれば、円高には別の側面もあります。
同じ金額の日本円で、海外資産をより多く買える可能性がある。
つまり、今後も積立を続ける人にとっては、
「資産評価額が減った」
という一面だけではなく、
「これから買う分が安くなっている」
という見方もできます。
もちろん、さらに円高になる可能性もあります。
さらに株価が下がる可能性もあります。
だから、
「今が底だ!」
などと予想する必要はありません。
底を当てる必要なんてないのです。
毎月、淡々と買っていけばいい。
「稲妻が輝く瞬間」は、いつ来るか分からない
長期投資では、よく、
「市場から離れてはいけない」
と言われます。
なぜなら、市場が大きく上昇する日を事前に予測することは難しいからです。
暴落している最中には、
「こんな状況で本当に回復するのか?」
と思ってしまいます。
しかし、相場は永遠に下がり続けるわけではありません。
いつか空気が変わる。
悲観が少しずつ薄れていく。
株価が戻ってくる。
そして、気がつけば大きく上昇している。
その重要な上昇局面を逃さないためには、
市場に居続けること
が重要になります。
稲妻が輝く瞬間を、事前に正確に予測することはできません。
だからこそ、
稲妻がいつ輝くのか分からないなら、その瞬間に市場にいる。
長期投資では、これが一つの考え方になるのだと思います。
下落相場は「投資家としての授業料」なのかもしれない
上昇相場では、誰でも自分が投資上手になったような気がします。
資産が増えていれば、
「自分の投資方法は正しい」
と思いやすい。
しかし、本当の意味で投資家として試されるのは、
資産が減っているとき
なのかもしれません。
含み益が減ったとき。
含み損になったとき。
ニュースが悲観一色になったとき。
周囲が「もう株は終わりだ」と言い始めたとき。
そんなときに、自分が決めた投資方針を守れるのか。
これは、実際に下落相場を経験してみなければ分かりません。
だから今回のような相場も、
単なる「嫌な期間」と考えるだけではなく、
自分の投資ルールを確認するための時間
と考えることもできます。
ただし「何が何でも持ち続ける」ではない
ここは誤解してはいけないところです。
長期投資だからといって、
「絶対に売ってはいけない」
という意味ではありません。
生活防衛資金が不足している。
近いうちに大きなお金が必要になる。
リスクを取りすぎていることに気づいた。
そもそも自分の投資目的と商品が合っていない。
こうした場合は、ポートフォリオを見直すことも必要です。
重要なのは、
恐怖だけを理由に投資方針を変更しないこと。
そして、
暴落したから売るのではなく、最初に決めたルールに照らして判断すること。
これが大切なのだと思います。
「退場しない」ということも立派な戦略
投資で大きな利益を得るためには、
「いつ買うか」
「何を買うか」
ばかりが注目されます。
しかし、長期投資では、
「市場に居続けること」
も非常に重要です。
上昇相場だけ参加して、下落相場になったら退場する。
これでは、長期投資の一番おいしい部分を逃してしまう可能性があります。
上がる。
下がる。
また上がる。
時には大きく暴落する。
それでも市場は動き続ける。
その波のすべてを予測することは、私たちにはできません。
だから私は、
予測するより、続ける。
この姿勢を大切にしたいと思います。
怖い。でも、淡々と積み立てる
正直に言えば、今のような相場は怖いです。
S&P500が下がる。
NASDAQ100が下がる。
オルカンも下がる。
円高によって海外資産の円換算評価額も下がる。
評価額を見るたびに、
「大丈夫かな?」
と思う。
それでも、
積立設定は変えない。
毎月決めた金額を淡々と買う。
これが、長期投資家としてできることなのではないでしょうか。
もちろん、無理をする必要はありません。
生活を犠牲にする必要もありません。
「もっと買わなければ!」
と焦る必要もありません。
余裕資金の範囲内で、自分が決めたルールを守る。
そして、相場を毎日追いかけすぎない。
これくらいでいいのだと思います。
最後に――市場から退場しないという選択
株価が上がっているときは、投資を続けることは簡単です。
難しいのは、
下がっているときです。
怖いときです。
周りが不安になっているときです。
「もう売ったほうがいいのでは?」
と思ったときです。
そんなときこそ、一度、自分に問いかけてみたい。
「私は何のために投資を始めたのか?」
短期的に利益を得るためだったのか。
それとも、10年、20年という長い時間をかけて、将来の資産を作るためだったのか。
もし後者なら、今日の株価だけを見て判断する必要はありません。
株価が下がっている。
円高になっている。
評価額が減っている。
確かに、気持ちは落ち込みます。
でも、長期投資を続けるのであれば、
今は「終わり」ではなく、途中の一場面です。
怖い。
それでいい。
不安になる。
それも当然。
それでも、自分の決めたルールを信じて、
貪欲に、しかし冷静に。
そして、
淡々と積み立てる。
市場から退場しない。
いつか再び、相場に「稲妻が輝く日」が来るかもしれない。
その日がいつなのか、私たちには分かりません。
だからこそ、
その瞬間を予想するのではなく、その瞬間まで市場に居続ける。
それが、私にとっての長期投資なのだと思います。
高値で熱狂して買い、下落したところで恐怖に負けて売る。
そんな「高値掴み・狼狽売り」の投資家にはなりたくない。
相場が荒れている今だからこそ、
「何もしない」という強さを持つ。
そして、いつも通り積み立てる。
派手ではありません。
面白くもありません。
でも、長期投資とは、案外そういう地味な作業の積み重ねなのかもしれません。
相場が怖いときこそ、退場しない。
それが、未来の自分への一番シンプルな投資なのかもしれません。

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