インデックス投資の魅力は、**「世界の成長を取り込む」**というシンプルな構造にある。
毎月コツコツと積み立てることで、時間を味方につけ、経済全体の拡大とともに資産を増やしていく。
今回は、やや“強気寄り”のポートフォリオとして、以下の3本を想定した10年間のシミュレーションを行う。
いずれも低コストで人気の高いeMAXIS Slimシリーズを利用した構成だ。
📈 強気3本セット(例)
| 投資対象 | ファンド例 | 割合(目安) | コメント | 
|---|---|---|---|
| 🇺🇸 米国株(S&P500) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 65% | 米国の成長力に集中。アップル、マイクロソフト中心。 | 
| 🌏 新興国株 | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 25% | インドやインドネシアなど、将来性重視。 | 
| 🌍 先進国株(日本除く) | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 10% | 欧州・オーストラリアなどを少し添える形。 | 
想定条件
- 積立額:毎月3万円(各1万円×3本)
 - 期間:10年間(120か月)
 - 年平均リターン(過去10年平均を参考)
- 米国株(S&P500):年7%
 - 新興国株:年5%
 - 先進国株(日本除く):年4%
 
 - 為替リスク・税金は考慮せず。
 
シミュレーション結果(複利運用)
| 投資対象 | 年平均リターン | 毎月積立額 | 10年後の評価額(概算) | 
|---|---|---|---|
| 米国株(S&P500) | 7% | 10,000円 | 約173万円 | 
| 新興国株 | 5% | 10,000円 | 約155万円 | 
| 先進国株(日本除く) | 4% | 10,000円 | 約146万円 | 
| 合計 | ― | 30,000円 | 約474万円 | 
10年間の元本は360万円(3万円×120回)。
その結果、評価額は約474万円。
つまり、**約114万円のプラス(+31.6%)**という計算になる。
市場に「居続ける力」
この結果を見て「思ったより地味」と感じるかもしれない。
だが、積立投資の真価は時間が味方する10年以降に現れる。
さらに10年続ければ、複利効果は加速的に働く。
そして何より重要なのは、市場に居続ける力だ。
10年間の間に、必ず暴落は訪れる。
そのときに積立を止めず、淡々と買い続けた人だけが、最終的に報われる。
「暴落=入場料」という考え方
投資信託を続けていると、いずれ「暴落」に遭遇する。
しかし、それは避けるべき「不運」ではなく、資本主義というゲームの入場料だ。
価格が半分になっても、保有数は倍増する。
その後の回復局面で、かつての不安がリターンの源泉になる。
米国株も新興国株も、過去には何度も急落を経験してきた。
だが、そのたびに人類の経済は回復し、株価は高値を更新してきた。
長期投資とは、この「復元力」を信じて居座る行為にほかならない。
元本2倍の心理的余裕
筆者自身も、ようやく投資信託の評価額が元本の2倍に到達した。
この段階に来ると、たとえ市場全体が50%暴落しても元本は守られる状態になる。
これは、単なる数字以上の意味を持つ。
「暴落が来ても怖くない」という精神的な余裕が生まれ、
“焦らず・恐れず・やめず”に投資を続けられる。
もちろん、実際に暴落が起きれば心は揺れる。
だが、資産が2倍に育ったという「時間の信頼残高」が、
次の暴落を受け止めるクッションになる。
結局、勝つのは「やめなかった人」
投資で最も大きなリスクは「暴落」でも「タイミングの悪さ」でもない。
途中でやめてしまうことである。
市場を完璧に読むことは誰にもできない。
むしろ、「最適なタイミングを探す人ほど、いつまでも投資を始められない」。
だからこそ、今あるポートフォリオを信じて、ただ続ける。
それが「資本主義の勝ち筋」だ。
まとめ
- 「強気3本セット」は世界の成長をまるごと取り込む分散戦略
 - 10年間で+30%超のリターンが期待できる
 - 暴落を「入場料」として受け入れ、継続する人が最終的な勝者
 - 元本2倍の状態になると、精神的にも安定して投資を続けられる
 
 


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