投資や老後資金のニュースを見ていると、ふと疑問に思うことはありませんか?
「年金の繰下げ受給って、結局何歳まで生きれば得なの?」
「手取りだと損益分岐点が83〜85歳になるって聞いたけど、本当?」
結論から言うと、その話は「おおむね正しいですが、損益分岐点の計算や手取りの説明には修正・注意が必要」です!
特に大切なのは、次の3つを分けて考えること。
- 年金の増減率
- 累計受給額が逆転する年齢(額面)
- 税金や社会保険料を引いた「実際の手取り」
「損益分岐点だけで選ぶと後悔するの!?」とソワソワしている方のために、分かりやすくスッキリ整理して解説します!
1. 受給額の計算は正しいのか?
まずは基本となる受給額と増減率から見ていきましょう!
原則として計算は正しいですが、2022年4月以降の制度変更により、60歳から繰上げ受給する場合の減額率は生年月日によって異なる点に注意が必要です。
- 1962年4月2日以降生まれ:1か月あたり 0.4%減額
- 1962年4月1日以前生まれ:1か月あたり 0.5%減額
一方、繰下げ受給は原則として1か月あたり 0.7%増額 され、75歳まで繰り下げると 最大84%増額 されます!
65歳時点の年金額を月額15万円とした場合のシミュレーションは以下の通りです。
| 受給開始年齢 | 増減率 | 月額 | 年額 |
| 60歳 | −24% | 11万4,000円 | 136万8,000円 |
| 65歳 | 変動なし | 15万円 | 180万円 |
| 70歳 | +42% | 21万3,000円 | 255万6,000円 |
| 75歳 | +84% | 27万6,000円 | 331万2,000円 |
※この表は「1962年4月2日以降生まれで、65歳時点の年金額が月15万円」という条件であれば正確です。
※実際の年金額は物価や賃金の変動に応じて改定されるため、この金額が将来ずっと固定されるわけではありません。
2. 損益分岐点「81歳くらい」は本当か?
「じゃあ、何歳まで生きれば元が取れるの?」という損益分岐点についてです。
結論として、税金や社会保険料を差し引かない「額面」の累計受給額で比較するなら、ほぼ正しいです!
日本年金機構の増減率をもとに計算すると、次のようになります。
| 受給開始年齢 | 65歳受給と累計額が並ぶ年齢 | どちらが有利か |
| 60歳 | 約80歳10か月 | それより前は60歳開始、それ以降は65歳開始 |
| 70歳 | 約81歳11か月 | それより前は65歳開始、それ以降は70歳開始 |
| 75歳 | 約86歳11か月 | それより前は65歳開始、それ以降は75歳開始 |
例えば、70歳まで繰り下げると年金額は42%も増えます!しかし、65歳から70歳までの5年間は年金が「0円」になりますよね。
そのため、70歳以降に毎年もらえる額が増えても、65歳から受給していた人の累計額に追いつくには約82歳まで待つ必要があります。
ここで注意したいのは、損益分岐点は「何歳まで生きれば必ず得か」を保証するものではないということです。あくまで受給額の累計を単純比較した数字に過ぎません。
3. 「手取りでは83〜85歳頃」は事実か?
よく言われる「手取りベースだと損益分岐点が83〜85歳に伸びる」という話ですが、実は一律に正しいとは言えません。
年金額が増えると、それに伴って所得税・住民税や医療保険料、介護保険料などの負担も増えることがあります。ただし、その増え方は人によってまったく異なります!
- 年金以外の収入があるか(働いて稼ぐ、不動産収入があるなど)
- 配偶者や扶養親族の状況
- 居住する自治体や加入する医療保険
- 年齢や所得に応じた控除額
- 医療費や介護費用などの状況
そのため、手取りベースの損益分岐点が83〜85歳になる人も確かに考えられますが、「全員に当てはまる絶対の数字」ではないのです!税金や保険料の影響を知るには、個別の試算が必要になります。
4. もう一つ、重要な注意点
「じゃあ繰り上げちゃおうかな?」「やっぱり限界まで繰り下げよう!」と判断する前に、知っておくべき重大な落とし穴があります。
繰上げ受給の注意点
繰上げ請求をすると、原則として事後重症などによる障害基礎年金・障害厚生年金を請求できなくなります。また、繰上げ請求の取消しもできず、減額は生涯続きます。
繰下げ受給の注意点
年金額が増えるからといって、必ずしも有利とは限りません。繰下げ待機中の生活費を貯蓄などで賄う必要があるほか、加給年金額などが増額対象にならない場合もあります。
まとめ:数字だけに惑わされず、自分に合った「ベストな選択」を!
今回のポイントを一覧で振り返ってみましょう!
| 項目 | 判定結果 |
| 年金の増減率と月額・年額 | 生年月日などの条件が合えば正しい! |
| 額面ベースの損益分岐点 | 80歳10か月、81歳11か月、86歳11か月という計算は正しい! |
| 手取りベースの損益分岐点(83〜85歳) | 一律の数字としては正しくない!個別の試算が必要。 |
一番お伝えしたいのは、「何歳まで生きれば得か」という損益分岐点だけで年金の受給開始年齢を決めないことです!
- 60歳から受け取って、元気なうちにやりたいことを楽しむ・生活に余裕を持たせる選択
- 75歳まで繰り下げて、万が一長生きしたときのための「終身の安心」を増やす選択
どちらにも素晴らしい価値と意味があります。
ちなみに、老齢基礎年金と老齢厚生年金は繰下げの場合、別々の時期から受給する選択も可能です!自分の生活費、働く予定、貯蓄額、そして健康状態などを総合的に踏まえて判断していきましょう。
※公式な制度の詳細や最新情報は、日本年金機構の「年金の繰上げ受給」や「年金の繰下げ受給」ページで必ず確認してくださいね。
みなさんは何歳から年金を受け取る予定ですか?ぜひこの機会に、理想の老後生活をイメージしてみてくださいね!


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