― 総選挙で急浮上した“減税+給付”の正体
総選挙が近づくと、必ず出てくるのが
「減税」や「給付」の話。
その中でも最近よく聞くのが
給付つき税額控除です。
名前は難しそうですが、考え方は意外とシンプル。
税金を減らして、それでも足りなければ現金を配る制度
これが給付つき税額控除の本質です。
税額控除との違いは?
まず、通常の「税額控除」はこうです。
- 所得税や住民税
- 払う税金がある人だけが恩恵を受ける
👉 税金がゼロの人は、控除しようがない
ここに「給付」を組み合わせたのが、給付つき税額控除です。
給付つき税額控除の仕組み
ポイントはこの一文
控除しきれなかった分を、現金で給付する
【具体例】数字で見るとこうなる
ケース:低所得のAさん
- 本来の税額:5万円
- 給付つき税額控除:10万円
5万円(税額)-10万円(控除)
= ▲5万円
👉 マイナス分の 5万円が給付される
つまり、
- 税金はゼロ
- さらに現金がもらえる
これが給付つき税額控除です。
なぜ総選挙で話題になるのか?
理由は明確です。
- 低所得層・非正規・子育て世帯にアピールしやすい
- 「減税」と「給付」を同時に言える
- バラマキ批判をかわしやすい
政治的には、かなり使いやすい政策です。
メリット:確かに助かる人は多い
① 税金を払っていない人も対象
生活が苦しい層に直接届きます。
② 即効性がある
減税よりも「手取り増」を実感しやすい。
③ 所得再分配としては理にかなう
格差是正という意味では、理屈は通っています。
しかし…大きな問題点もある
ここからが重要です。
❗「あんまり仕事しない方が有利」問題
給付つき税額控除は、
ある所得ラインまでが一番お得になる設計になりがちです。
【逆転現象の例】
- 年収180万円 → 給付10万円
- 年収220万円 → 給付5万円
- 年収300万円 → 給付ゼロ
👉 頑張って働いたのに、手取りが増えない or 減る
これがいわゆる
**「働くほど損をするゾーン」**です。
なぜこんなことが起きるのか?
- 給付は所得が低いほど多い
- 所得が増えると段階的に減る
- 税金・社会保険料は増える
結果として、
収入アップ
→ 給付減
→ 税負担増
→ 手取り横ばい or マイナス
という罠が生まれます。
勤労意欲が下がるリスク
これは海外でも何度も問題になっています。
- 昇給を断る
- 労働時間を抑える
- 副業をしない
👉 「働かない方が合理的」な選択が生まれる
制度としては、
かなり危うい側面を持っています。
財源問題も避けて通れない
給付つき税額控除は、
- 恒久的な支出
- 対象が広い
そのため、
- 消費税
- 社会保険料
- 将来増税
につながる可能性が高い。
「今もらえて、将来払う」構造になりやすい点も注意です。
まとめ:聞こえは良いが、万能ではない
- 給付つき税額控除は「減税+給付」のハイブリッド
- 低所得層には即効性がある
- 一方で
- 働くほど不利になるゾーン
- 勤労意欲低下
- 将来負担の先送り
という副作用も大きい。
選挙のスローガンだけで判断せず、
「誰が得して、誰が将来払うのか」
ここまで考える必要があります。

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