老後の暮らしを考えるうえで重要なのが「介護保険制度」。
そのなかでもよく耳にする「要支援」と「要介護」の違いを、正しく理解していますか?
この記事では、両者の違いと、それぞれで受けられるサービス、特に「老健施設(介護老人保健施設)」や「デイサービス」の利用について、初心者でも分かりやすく徹底解説します。
1.「要支援」と「要介護」の違いとは?
介護保険制度では、要介護認定を受けることで、公的な介護サービスを利用できます。
この認定は「非該当」から「要支援1・2」「要介護1~5」までの7段階に分かれています。
区分 | 状態のイメージ | 主な目的 |
---|---|---|
要支援1・2 | 日常生活はほぼ自立しているが一部に支援が必要 | 自立を維持し、悪化を防ぐ |
要介護1〜5 | 日常生活に継続的な介助が必要 | 安全・安心な生活の継続を支援 |
要支援: 軽度な支援があれば自立可能な状態
要介護: 生活全般にわたって継続的な介護が必要な状態
2.受けられるサービスの違い
● 要支援の方が受けられるサービス(介護予防サービス)
- 介護予防訪問介護(ヘルパー)
- 介護予防通所介護(デイサービス)
- 介護予防リハビリ(理学療法・作業療法)
- 配食サービス・見守りサービス
- 福祉用具の貸与(簡易なもの)
👉 特徴: 「介護が必要な状態にならないように」予防を目的とした支援
● 要介護の方が受けられるサービス
- 訪問介護(生活援助・身体介助)
- 通所介護(デイサービス)
- 短期入所(ショートステイ)
- 介護老人保健施設(老健)
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 訪問看護・訪問入浴
👉 特徴: 日常生活に必要な介護・看護サービスがフルで受けられる
3.老健(介護老人保健施設)は要介護でないと利用できない?
はい、老健(介護老人保健施設)は「要介護1以上」でないと原則利用できません。
老健は、医療とリハビリを中心とした中間施設で、自宅復帰を目指す人のための施設。
要支援の方は利用できないため、必要な場合は認定更新や状態の見直しが求められます。
4.デイサービスは要支援でも使える?
はい、デイサービスは要支援1・2の方でも利用可能です。
ただし、「介護予防通所介護(介護予防型デイサービス)」という枠組みでの提供となり、リハビリや機能訓練が中心となる傾向があります。
区分 | デイサービスの名称 | 内容の特徴 |
---|---|---|
要支援 | 介護予防通所介護 | 体操・機能訓練中心、軽度介護者向け |
要介護 | 通所介護(一般型) | 入浴・食事・レクリエーションが充実 |
5.自分や家族が将来どちらになるのか不安な人へ
- まずは「要介護認定」を市町村に申請しましょう
- 状態は変化するので、定期的な見直しも重要です
- ケアマネージャーと相談し、最適なプランを立てることがポイントです
6.まとめ:制度を理解して、無理のない介護生活を
ポイント | 内容 |
---|---|
要支援と要介護 | 支援のレベルに応じた制度で、受けられるサービスが異なる |
老健 | 要介護1以上の方が利用可能、自宅復帰を支援 |
デイサービス | 要支援でも利用可能だが内容に違いがある |
大切なこと | 状態に応じた正しい認定と、ケアプランの活用 |
🧭 少しの知識が、家族や自分の未来を大きく変えます!
高齢になってから慌てないために、介護制度の仕組みや使い方を理解しておくことは非常に重要です。
この記事が、あなたやご家族の備えに役立つことを願っています。
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