**長期金利、1.935% 18年半ぶり高水準

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──「年明け以降も利上げ観測」で、個人はどう動くべきか**

日本の長期金利(10年国債利回り)が**1.935%**と、実に18年半ぶりの高水準に達した。市場では「日銀が年明け以降も利上げを続ける」との見方が急速に強まっている。

背景には、粘り強いインフレ、底堅い賃上げ、そして日銀の「超緩和脱出」シナリオがある。だが、個人投資家が知りたいのは、**“金利が上がったら具体的にどうすればいいのか”**という一点だ。


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■ なぜ長期金利が1.9%台まで上昇したのか

今回の金利上昇は、国内要因と海外要因が組み合わさった構造的な動きといえる。

●① 日銀のスタンス変化

日銀は春以降、段階的に政策金利を引き上げ、金融正常化を進めてきた。
市場は「2025年1〜3月に追加利上げ」の織り込みを進めており、長期金利に先回りして織り込む動きが広がっている。

●② 賃上げの定着とインフレの粘着

企業のベースアップは2年連続で高水準。物価上昇率もなお2%台で推移し、かつ広がりが続く。
「低金利の前提が崩れた」ことが大きい。

●③ 米金利との関係

米国の長期金利も依然として高い。金利差縮小の思惑から円買いが進みやすく、国内金利にも上昇圧力を与えている。


■ 金利上昇で何が起きるのか

金利の上昇は、家計・投資・企業にそれぞれ影響をもたらす。

●① 住宅ローン

変動金利はまだ“据え置き”だが、固定金利は確実に上昇中
借り換えのシミュレーションを行う家庭が増えている。

●② 株式市場

一般に金利上昇は株式には逆風だ。
特に、PERが高い成長株やグロース銘柄は慎重視されやすい。

ただし、今は「利上げ=景気回復」という側面もあるため、全面的な下落にはつながっていない。銘柄ごとの差が大きくなる局面といえる。

●③ 債券・金利商品

利回り上昇は、今後の債券投資の妙味を高める。
“買える債券が増える”という意味では、金利正常化は個人にとって悪いニュースではない。


■ では、結局どうすればいいのか?

多くの人が抱く疑問は、

「利上げなら何をすればいいの? 動いた方がいい? 何もできない?」

だろう。

結論から言う。


結局、慌てて動く必要はない。だが“やるべきこと”はある。

① 長期投資家

長期投資の軸は変わらない。
インデックス積立は、金利の変動を長期で均していく仕組みだ。

むしろ金利上昇で株価が調整するなら、積立は有利になる

② 債券・金利商品を追加する選択肢

利回りが1.9%台に戻ったことで、「個人向け国債」「債券ファンド」の魅力が向上。
株式に偏っていたポートフォリオのバランス調整としては有効だ。

③ 住宅ローン利用者

固定金利の借り換え検討が現実的になっている。
変動金利の人は、“いきなり上がる”可能性は低いため、今は情報収集を優先したい。


■ 金利正常化は「悪いニュース」ではなく「社会が動き出した証拠」

18年半ぶりの1.9%台という金利は、かつての低金利が異常だったという裏返しでもある。

賃金が上がり、企業が投資し、物価が適度に上昇する。
その結果として金利が正常化するのは、本来は健全な経済の姿だ。

もちろん短期的には株価の調整や住宅ローン負担増といった影響はある。
しかし、金利正常化は「長期投資の環境が整う」という側面も大きい。


■ まとめ

  • 長期金利は 1.935%(18年半ぶり)
  • 背景:日銀の利上げ観測、賃上げ定着、米金利の影響
  • 影響:住宅ローン・株式市場・債券市場で変化
  • 行動:
    • 積立投資は継続
    • 債券の選択肢拡大
    • 住宅ローンは借り換え検討
  • 金利正常化は「日本経済の構造変化」のサイン

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