グリーンランドを巡る地政学リスクが「安全資産・金」を押し上げた理由
国際金価格が、ついに1オンス=5000ドルという歴史的水準を突破した。
これは単なるインフレや金融緩和の話ではない。背景にあるのは、グリーンランドをめぐる地政学的葛藤の長期化をはじめとした、世界秩序そのものへの不安だ。
市場は今、「何が起きてもおかしくない世界」を前提に動き始めている。
■ なぜグリーンランドが世界を揺らすのか
一見すると、グリーンランドは人口も少なく、経済規模も小さい地域に見える。
しかし実態は真逆だ。
- レアアース・希少鉱物の宝庫
- 北極航路の要衝
- 米国・中国・ロシアが睨み合う戦略拠点
特に資源と軍事の両面での価値が高く、大国同士の緊張がエスカレートしやすい場所でもある。
市場が恐れているのは「局地的衝突」そのものではない。
大国間の対立が長期化し、世界経済が分断される未来だ。
■ 金が5000ドルまで買われた本当の理由
今回の金高騰は、以下の要因が重なった結果と考えられる。
① 地政学リスクの“常態化”
もはや「有事が起きたら金が買われる」のではない。
有事が終わらない世界に入りつつある、という認識が市場に広がっている。
② 通貨への信認低下
- 巨額財政赤字
- 通貨安競争
- デジタル通貨・CBDCへの不安
こうした中で、「どの国の通貨にも依存しない資産」として金が再評価されている。
③ 中央銀行の金買い
新興国を中心に、外貨準備をドルから金へシフトする動きが加速。
個人投資家より先に、国家が金を買っていることが今回の特徴だ。
■ 5000ドルはゴールなのか、それとも通過点か
重要なのは、「5000ドル突破=天井」と短絡的に考えないことだ。
過去を振り返れば、
- 1000ドル → 2000ドル
- 2000ドル → 3000ドル
いずれも「高すぎる」と言われ続けてきた。
それでも金は、世界の不安とともに階段を上がってきた。
もし今後、
- 地政学対立がさらに拡大
- インフレ再燃
- 金融危機の再来
といったシナリオが現実になれば、
5000ドルは“始まりにすぎなかった”と振り返られる可能性すらある。
■ 個人投資家はどう向き合うべきか
ここで大切なのは、「今から全力で金を買う」ことではない。
金は
- 爆発的に儲ける資産ではなく
- 資産を守るための保険
ポートフォリオの一部として、
**「世界が壊れた時に価値が残るもの」**を持つ意味は、これまで以上に大きくなっている。
■ まとめ:金5000ドル時代が示す“世界の異常”
金価格の5000ドル突破は、単なる相場ニュースではない。
それは――
👉 世界が「平常」を失ったことのシグナルだ。
市場は正直だ。
楽観よりも、不安を映し出す。
金が買われ続ける限り、
私たちは「何が起きてもおかしくない時代」を生きていることを忘れてはいけない。

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