歴史的高値はまだまだ更新されるのか?
金(ゴールド)価格が歴史的高値圏で推移する中、
市場ではこんな声が聞こえ始めています。
「2026年、金は5000ドルに到達するのではないか?」
一見すると強気すぎる予想に見えますが、
実はこの見方、根拠ゼロの妄想ではありません。
なぜ「5000ドル説」が現実味を帯びてきたのか?
金相場を押し上げている要因は、単独ではなく複合的です。
① インフレは「終わっていない」
各国はインフレ沈静化をアピールしていますが、
実態は通貨価値の長期的な希薄化が進んだままです。
- 物価は下がらない
- 賃金は追いつかない
- 実質購買力は低下
この環境で評価されるのが、
「刷れない資産」=金です。
金はインフレに強いというより、
通貨が弱くなるほど相対的に強くなる資産と言えます。
② 米国債とドルへの不信感
これまで世界の安全資産は
「米国債+ドル」でした。
しかし今は、
- 米国債残高の爆発的増加
- 財政赤字の常態化
- 格下げリスク
といった問題が山積しています。
その結果、
中央銀行レベルで「ドル以外の安全資産」へのシフトが進行中です。
③ 中央銀行が「本気で金を買っている」
ここが最重要ポイントです。
- 新興国
- 非ドル圏
- 地政学リスクを抱える国
これらの中央銀行が、
外貨準備として金を大量購入しています。
個人投資家の買いとは違い、
中央銀行は「価格が高いから売る」という行動をしません。
→ 需給が構造的にタイトになる
これが、金相場の底堅さを作っています。
5000ドルは「行き過ぎ」なのか?
冷静に考えてみましょう。
- 金は利息を生まない
- キャッシュフローもない
それでも価格が上がる理由は明確です。
信用の裏付けとしての価値
紙幣や国債が「信用」で成り立つ以上、
信用が揺らぐ局面では金の評価は非連続的に跳ねることがあります。
過去の歴史を見ても、
金は「じわじわ」ではなく
ある時期に一気に再評価されてきました。
2026年・5000ドルのシナリオ
現実的なシナリオは次の通りです。
- 地政学リスクの長期化
- 金利低下(実質金利マイナス)
- 中央銀行の金買い継続
- 通貨への信認低下
この条件が重なれば、
**5000ドルは“異常値”ではなく“通過点”**になる可能性もあります。
個人投資家はどう向き合うべきか?
重要なのは、
「当たるか外れるか」ではありません。
金は、
- 一発逆転の投機対象
- 短期売買向け資産
ではなく、
通貨システム不安への保険
として持つ資産です。
- ポートフォリオの一部
- 株・債券と逆相関
- 危機時のクッション
この役割を理解して保有するなら、
価格がいくらかは「結果論」に近いものになります。
まとめ|金の最高値は「まだ途中」かもしれない
2026年に金が5000ドルへ到達するかどうかは、
断言できません。
しかし、
- 歴史的高値更新が「一時的」ではない
- 金が再び通貨的役割を取り戻しつつある
この流れは、すでに始まっています。
金相場は、
世界が抱える不安の温度計。
その針が下がらない限り、
最高値更新の物語は、まだ終わらないのかもしれません。

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