長期投資家にとって、**米国株(S&P500)**は“最強の積立対象”として知られている。
過去10年、米国市場はテクノロジー企業の成長や企業収益の拡大を背景に、強い上昇トレンドを描いてきた。
では、もしS&P500単独に毎月1万円を10年間積み立てた場合、資産はどこまで増えるのか。
ここでは、あくまでも机上のシミュレーションとして、過去の年平均リターンを参考に計算してみたい。
前提条件
- 投資対象:S&P500(米国株)
- 積立額:毎月1万円
- 投資期間:10年間(120か月)
- 年平均リターン:12%(配当込み・過去10年の実績ベース)
- 為替・税金・手数料は考慮せず
複利計算によるシミュレーション
複利積立の公式は次の通りだ。 FV=P×(1+r)n−1rFV = P \times \frac{(1+r)^n -1}{r}FV=P×r(1+r)n−1
- P = 毎月積立額(10,000円)
- r = 月利(年12% ÷ 12 = 0.01)
- n = 積立回数(120か月)
まず (1+0.01)^120 を計算すると、概算で 3.3倍 になる。
そこからFVを計算すると: 10,000×3.3−10.01≈10,000×230=2,300,000円10,000 × \frac{3.3-1}{0.01} ≈ 10,000 × 230 = 2,300,000円10,000×0.013.3−1≈10,000×230=2,300,000円
つまり、総積立額は120万円(1万円×120回)に対して、評価額は約350〜360万円となる。
単純計算でも、**元本の約3倍(+200%近く)**という結果が得られる。
複利の力が生む「時間の魔法」
この数字は、決して夢物語ではない。
S&P500の過去の年平均リターンを反映した机上計算であり、実際の相場は上下に揺れる。しかし、長期積立であれば短期的な暴落も相殺され、複利が時間をかけて資産を増やしてくれる。
- 1年目:10,000円 × 12 = 12万円
- 5年目:複利効果で少しずつ増加
- 10年目:評価額は約360万円
投資額の3倍近くになると、暴落しても元本を大きく下回るリスクは低くなる。
時間が味方になるとは、まさにこのことだ。
投資心理に与える影響
元本が増えると、投資心理にも大きな変化が現れる。
- まだ積立開始直後:下落局面では不安が強い
- 中期:少し評価額が増えると心の余裕が生まれる
- 長期:評価額が元本の2〜3倍になると、暴落を恐れず淡々と積立を続けられる
まさに「暴落は入場料」という言葉の意味を体感できる段階だ。
机上の計算だからこそ伝えたいこと
今回のシミュレーションはあくまでも机上の計算である。
- 実際の年リターンは毎年変動
- 為替や税金・手数料を考慮していない
- 過去の成績が未来を保証するわけではない
それでも、長期積立の威力を理解するには十分だ。
小額でも毎月積み立て、複利の恩恵を受け続けることが、資産形成の核心である。
「最適なタイミング」は存在しない
多くの人は「株価が下がったら買いたい」「今は高いから待とう」と考えがちだ。
しかし、株価の最適なタイミングを予測することは非常に難しい。
S&P500の過去10年を見ても、最初から積み立てを続けた人が最大のリターンを手にしている。
結局、投資の勝者は「タイミングを狙わず、淡々と積立を継続した人」なのだ。
まとめ
- S&P500単独でも10年間毎月1万円積立すると、机上計算で+200%近く増える可能性がある
- 複利の力が時間をかけて資産を膨らませる
- 元本が増えることで、投資心理に余裕が生まれる
- 最適なタイミングを狙うよりも、淡々と続けることが重要
長期投資は、数字だけでなく心の成長ももたらしてくれる。
あくまでも机上計算だが、未来の自分にとっての強力な指標となるだろう。


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