――「庶民救済策」に見える政策の危険な正体
「物価が高すぎる。
せめて食料品の消費税だけでもゼロにすべきだ」
一見すると、もっともらしい主張です。
しかしこの政策、実行すれば飲食店が大量に潰れる構造を持っています。
これは感情論ではなく、経済構造の問題です。
① まず押さえる現状:すでに存在する“不公平”
現在の消費税率はこうなっています。
- スーパー・コンビニの食料品:8%(軽減税率)
- 飲食店(外食):10%
つまり、
同じ「食べ物」でも、すでに税率差がある状態です。
② 食料品が0%になった瞬間に起きること
仮に食料品の消費税を0%にすると――
スーパー・コンビニ
- 弁当・惣菜・パン → 消費税ゼロ
- 実質価格が8%下がる
飲食店
- 定食・ラーメン → 10%のまま
- 値下げ余地なし(下げれば赤字)
👉 最大18%以上の価格差が発生します。
③ 消費者行動は一気に変わる
消費者は合理的です。
「同じ1,000円を払うなら
税ゼロのスーパー弁当でいい」
結果として起きるのは👇
- 外食回数の減少
- ランチ需要の蒸発
- 惣菜・持ち帰りへの一極集中
特に影響を受けるのは
個人経営・ランチ依存・地方の飲食店です。
④ 飲食店は“薄利構造”から逃げられない
飲食店のコスト構造は非常に厳しい。
- 食材費:30〜40%
- 人件費:30%前後
- 家賃・光熱費:15〜20%
- 利益:数%以下
ここに
- 客数減
- 値下げ不可
- 税率10%据え置き
が重なると、即赤字になります。
⑤ 「じゃあ外食も0%にすれば?」が通らない理由
一見、簡単な解決策に見えますが不可能です。
- 外食は「サービス提供」と扱われる
- 線引きが不可能
例👇
- 店内飲食
- テイクアウト
- フードコート
- キッチンカー
👉 税務が成立しません。
⑥ もう一つの致命的な構造問題
税の中立性が完全に壊れる
税制の基本原則は
**「同じ価値のものには、同じ税率」**です。
しかし👇
- スーパー弁当:0%
- 定食屋ランチ:10%
これは
味やサービスではなく、税率で勝敗が決まる競争。
⑦ 努力が報われない産業になる
飲食店が
- 味を磨き
- 接客を改善し
- 工夫を重ねても
最後にこう言われます。
「でも税金で負けてますよね?」
結果👇
- 店内飲食をやめる
- 惣菜・冷食に転換
- 小売業へ逃げる
👉 外食産業の空洞化
⑧ 静かに進む「街の崩壊」
外食産業は単なる娯楽ではありません。
- 雇用の受け皿
- 夜の人流
- 商店街の灯り
- 地方経済の基盤
ここが崩れると👇
- 空き店舗増加
- 人が歩かない街
- 治安悪化
- 地方の衰退加速
消費税ゼロの裏で、街が死ぬ。
⑨ なぜそれでも「食料品ゼロ%」が叫ばれるのか
本当の問題は👇
- 実質賃金が上がらない
- 物価だけが上がる
- 外食が贅沢品化している
つまり
減税を求める声自体は正しい。
しかし
やり方を間違えると、最も弱い産業が犠牲になる。
⑩ まとめ:これは庶民救済ではない
- 食料品消費税ゼロ
→ スーパー有利
→ 外食不利
→ 飲食店倒産
→ 雇用と街が崩壊
これは
短期的にウケる政策が、長期的に社会を壊す典型例です。


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