投資信託は、評価額は気にせず口数を増やすことだけを意識しよう

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投資信託を積み立てていると、どうしても気になるのが「評価額」です。
毎日のようにアプリを開き、「プラスかマイナスか」を確認しては、一喜一憂する人も少なくありません。しかし、本来の積立投資の目的は「短期的な値動きを当てること」ではなく、「長期的に資産を増やすこと」にあります。

結論から言えば、積立投資の初期〜中期において、評価額はそれほど重要ではありません。むしろ意識すべきは、「いかに口数を増やすか」です。


■ 価格が下がる=チャンスでもある

投資信託の評価額が下がると、多くの人が不安になります。
しかし、価格が下がるということは「同じ金額でより多くの口数を買える」ということでもあります。いわば、バーゲンセールのようなものです。

たとえば毎月1万円を積み立てているとき、基準価額が1万円なら1口買えます。しかし基準価額が5,000円になれば、2口買えることになります。
価格が下がった局面こそ、将来のリターンの「種まき」ができるタイミングなのです。


■ 長期投資の本質は「口数×価格」

資産評価額は「保有口数 × 基準価額」で決まります。
このうち、投資家がコントロールできるのは「口数」だけです。
価格は市場が決めるもの。予測しようとするほど疲弊します。

一方、積立によってコツコツと口数を増やしていけば、価格が戻ったときや上昇したときに大きな力を発揮します。時間を味方にする“複利効果”が、ここで活きてきます。

短期の価格変動に心を奪われず、淡々と口数を積み上げていく──それがインデックス投資の王道です。


■ 「今」は資産形成期、焦る必要はない

積立投資を始めて1〜3年目の段階では、評価額よりも「積立額」と「口数」の積み上がりに注目するべきです。
この時期はまだ元本が少ないため、市場の上下で評価額が大きく動いたように見えても、実態としてはリターンへの影響は限定的です。

むしろ、下落局面で「買い続けられるかどうか」が、その後の資産形成を大きく左右します。
価格が高いときに買い、下がったときに怖くなって止める──これがもっとも避けるべきパターンです。


■ “安くたくさん買って、高くなったら評価額が伸びる”

積立投資は、安いときに多く買い、高いときに少なく買う「ドル・コスト平均法」を自然に実践できる手法です。
下落相場では「たくさん買える」、上昇相場では「保有分の評価額が伸びる」。
つまり、短期的な値動きがむしろ“味方”になる仕組みなのです。

もちろん、どの資産でも上がるとは限りません。しかし、インデックス投資のように幅広い市場に分散していれば、長期的な経済成長に合わせてリターンが得られる可能性は高くなります。


■ 口数を増やすために意識すべきポイント

  1. 積立金額を途中で止めない
     下落局面こそ“買い時”です。評価額が落ちても淡々と続けること。
  2. 短期の損益を見すぎない
     毎日アプリを開くと、不安や迷いが増えます。チェック頻度を下げるのも有効です。
  3. ボーナス月などで口数を一気に増やすのも手
     下落時に余剰資金を活用することで、将来の伸びを大きくできます。

■ まとめ:「値段」より「口数」

投資信託の評価額は、長期投資において“結果”であって、“目的”ではありません。
コントロールできない価格に心を奪われるよりも、コントロールできる「口数の積み上げ」に集中すること。これが、将来の資産を大きく育てる最もシンプルな戦略です。

市場が下がったときに不安になるのではなく、「多くの口数を買えるチャンスだ」と考えられるかどうか──ここが、投資家としての分かれ道です。

評価額を気にするよりも、淡々と積み立てる。
その地味な積み重ねこそが、最終的に大きな果実をもたらします。


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