2025年、年金制度はますます複雑化し、「いつ受け取るのが得か?」という損得計算が注目されています。
しかし、本当に大切なのは金額ではなく、「どう生きたいか」という人生哲学に基づいた選択です。
今回は、繰上げ・繰下げ受給の損益分岐点を踏まえながら、「年金は損得ではなく生き方で決めるべき」という考え方をお伝えします。
✅ 年金受給の損益分岐点は「81歳」
- 60歳で受給開始(繰上げ)すると月額が最大24%減額
- 70歳で受給開始(繰下げ)すると月額が最大42%増額
よく言われる「損益分岐点」は約81歳。
つまり「81歳以上生きれば、繰下げ受給の方がトク」ということになります。
とはいえ、これはあくまで**「平均寿命ベースのシミュレーション」に過ぎません**。
✅ 「得か損か」だけで決めると、本質を見失う
- 60歳から毎月もらえるから安心?
- 70歳まで待って老後資金に余裕を持たせる?
どちらにもメリット・デメリットがありますが、年金はあくまで「人生の土台」です。
損得勘定だけで早くもらう選択をしてしまうと、かえって将来の不安を先取りしてしまうことも。
✅ たとえ“損”でも、年金を遅らせる価値がある理由
- 精神的な余裕が生まれる
月額が多くなることで「お金の不安」が軽減し、心理的な安心感が増します。 - “働くこと”が自己投資になる
働けるうちは働くことで、収入も増え、社会との接点も維持。
「健康」「人間関係」「役割意識」が保たれ、老化防止にも。 - 老後の“質”が変わる
65歳以降の10年を「自由な時間」として楽しめるか、「節約に追われる生活」にするか。
年金のタイミングが、その質を大きく左右します。
✅ 年金繰下げは「人生の仕上げ方」を選ぶこと
損益分岐点を気にして早くもらう人が多い中で、あえて70歳まで年金を遅らせることは、
「自分の人生を自分でデザインする」という生き方の選択です。
それは、経済的な戦略というより、「誇りと希望を持って年を重ねる」姿勢の表れです。
✅ まとめ|年金は損得ではなく「哲学」で決める
「81歳まで生きるかわからないから、早くもらったほうがトク」
という考えは一理あります。ですが、人生100年時代に入りつつある今、
**長く・元気に生きる前提で設計する方が、現実的な“備え”**ではないでしょうか。
「損をしても構わない、人生に安心と誇りを持ちたい」
そんな人にこそ、「繰下げ受給」は選ぶ価値があります。
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