■はじめに:昔話「舌切り雀」のあらすじ
昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは心優しく、ある日けがをしていた一羽の雀を助けます。
雀と仲良く暮らすうちに、おばあさんは雀に嫉妬し、怒ってその舌を切って追い出してしまいます。
悲しんだおじいさんは山へ入り、舌を切られた雀に会いに行きます。
やがておじいさんは「お礼に」と雀たちから“つづら”を渡され、小さい方を選んで家に持ち帰ると、中にはたくさんの宝物が入っていました。
一方、欲張りで怒りっぽいおばあさんは、自分も大きいつづらをもらおうと山へ向かい、無理やり大きなつづらを持ち帰ります。
しかしその中には恐ろしい化け物が入っていて、おばあさんは驚き、逃げ帰ることになりました。
■教訓:欲をかきすぎると、損をする
この昔話から読み取れる最も大きな教訓は、「欲張りすぎると失敗する」ということです。
おじいさんは心優しく見返りを求めずに行動し、その結果として思わぬ形で幸せが返ってきました。
一方のおばあさんは、目先の利益や報酬を追い求めた結果、自らの欲に足をすくわれてしまいます。
現代社会に置き換えてみても、似たようなことはよくあります。
「すぐに儲かる話」や「ラクして得しよう」という誘惑に飛びついて、結局損をする。
あるいは、人間関係でも、打算的な付き合いは長続きせず、真心で接した相手とこそ、信頼が築けるものです。
この昔話は、損得で動くのではなく、誠実な心を大切にすることの大切さを、シンプルなストーリーで教えてくれているのです。
■まとめ:シンプルな心が、豊かさを生む
「舌切り雀」のお話に出てくるおじいさんは、なにか特別な才能や力があったわけではありません。
ただ、「困っているものを助ける」「礼儀を忘れない」「欲張らない」といった、当たり前のことを当たり前に実践しただけです。
それでも結果として、心の豊かさと物質的な豊かさ、両方を得ることができました。
この話が長年語り継がれてきたのは、私たち現代人にとっても大切なメッセージを含んでいるからに他なりません。
日々の暮らしの中でも、「今、自分はおばあさんのようになっていないか?」と立ち止まって考えることが、人生をより良い方向に導いてくれるかもしれませんね。
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