年金の受給タイミングを考えるとき、
「平均寿命」を基準にして損か得かを考える人は多いですよね。
でもちょっと待ってください。
寿命を“平均”で見ていると、判断を誤る可能性があります。
今回は、あまり知られていない「寿命の中央値」という視点から、
年金の受給タイミングをどう考えるべきかを解説します。
✅ 「平均寿命」はあくまで“全体の平均値”
日本人の平均寿命(2024年時点)は以下のとおりです。
- 男性:81.05歳
- 女性:87.09歳
この数字を見ると「だいたい80歳くらいまでは生きるから…」と考えがち。
でも、これはあくまで全体を平均した値です。
実際には一部の“超長寿”が平均を引き上げていることもあり、
「平均寿命まで生きない人」も一定数います。
✅ 寿命の「中央値」はもっとリアルな指標
寿命の**中央値(中位数)**とは、
「死亡年齢が上から数えて50%の人が到達する年齢」です。
たとえば、
- 60歳まで生きた人の寿命中央値は、男性:約85歳、女性:約90歳前後と言われています。
- 健康に60代を迎えた人は、多くが85歳以上まで生きる確率が高い。
つまり、「60代を元気に迎えた人」にとっては、
平均よりも長生きする前提で設計したほうが自然なのです。
✅ 年金の受給は「中央値」から逆算して考える
年金の繰上げ・繰下げの損益分岐点は一般に81歳前後とされますが、
これも「平均寿命ベースの話」。
実際には、60代時点で健康であれば85歳以上まで生きる可能性が高いため、
繰下げて年金を受け取るほうが長期的に有利になるケースも多いのです。
✅ 受給戦略のヒント|中央値視点で考えるべきこと
- 「元気な60代」は“短命前提”で設計しない
→ 無理に60歳から繰上げても、長く生きればインカムが不足する可能性。 - 長寿リスクに備えるためには“後ろにずらす”という選択肢
→ 70歳まで繰下げれば、月額42%増加の年金を“終身”で受け取れる。 - 投資・副業・健康管理=繰下げ支援策
→ 年金の受給を遅らせるほど、自助の支えが重要になる。
✅ まとめ|“中央値”を知れば、年金の考え方が変わる
寿命の見方を「平均」から「中央値」に変えるだけで、
年金戦略は大きく変わります。
60代を元気に迎えた人は、90歳まで生きる可能性が高い。
だからこそ、「今すぐ年金をもらう」のではなく、
“後ろにとっておく”ことで安心感と生活の質が大きく向上するのです。
年金は、人生の後半戦をどう過ごしたいかという問いそのもの。
寿命の中央値を踏まえて、“自分の人生”として受給戦略を考えてみましょう。
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