投資というと「まとまった資金がないと始められない」と考える人は多い。
だが、たった1万円でも「続ける力」と「時間」を味方につければ、想像以上の結果になる。
今回は、S&P500(アメリカの代表的株価指数)に毎月1万円ずつ積み立てた場合、
30年後にどれほどの資産になるのかを見ていこう。
積立総額は360万円。でもそれが「終わり」ではない
まず単純な計算から。
1万円×12か月×30年=360万円。
これは、30年間で自分が実際に拠出する金額だ。
貯金であれば、30年後も当然360万円のまま。
しかし、インデックス投資は違う。
「時間」と「複利」が、静かにそのお金を育てていく。
年平均7%で運用した場合の30年後
S&P500は過去数十年で、年平均7〜10%程度の成長を続けてきた。
ここでは「保守的に」年7%と仮定してみよう。
複利運用のシミュレーションでは、
毎月1万円を年7%で30年間積み立てた場合の最終額は――
約1,220万円
となる。
自分が実際に投じた360万円が、
時間の力で約3倍以上に膨らむのだ。
「魔法」ではなく「数学」の力
7%という数字は、一見小さく見える。
しかし、複利の世界では、このわずかな差が数十年で大きな違いを生む。
たとえば、もし同じ30年を利回り3%で運用していたら、
最終額は約580万円にしかならない。
7%との差は、なんと約640万円。
つまり、「複利を味方につけるかどうか」で、
将来の金額は2倍以上も変わってしまうのだ。
続ける人ほど「未来の自分」を楽にする
投資の本質は、タイミングではなく「続ける力」にある。
毎月1万円という金額は、決して無理のない範囲。
それでも、積立を止めずに続けた人と、途中でやめた人では、
30年後に大きな差が生まれる。
重要なのは、「相場を読む」ことではなく「自分を信じる」ことだ。
S&P500のようなインデックスは、
アメリカ企業全体の成長を反映している。
つまり、世界経済の拡大を信じることに等しい。
まとめ:「1万円の積立」は“将来の安心料”
毎月1万円は、ランチ数回分かもしれない。
だが、その小さな行動が30年後に1000万円超の資産をつくる。
これは「運」ではなく「習慣」の結果だ。
投資は、才能よりも“時間の使い方”がすべてを決める。
今の1万円が、未来の安心を買う。
それが、インデックス積立の真の価値である。


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