― 恐怖の瞬間こそ、未来の利益の源泉 ―
株式市場の歴史を振り返ると、暴落は何度も繰り返されてきた。
しかし、そのたびに「損をした人」と「資産を増やした人」が現れる。
同じ暴落を経験しながら、なぜ結果がまったく異なるのだろうか。
■「恐怖」をどう扱うかが、分かれ道
リーマンショック(2008年)、コロナショック(2020年)――。
どちらの局面でも、多くの投資家が「もうだめだ」と思った瞬間に株を売り、
一方で、一部の投資家は淡々と買い続けていた。
両者の差は「情報」でも「運」でもなく、心理の差だ。
人間の脳は、利益を得る喜びよりも、損失を恐れる感情の方が約2倍強く反応する。
これを「プロスペクト理論」という。
つまり、暴落のような極端な局面では、合理的な判断よりも「恐怖」が勝ってしまう。
この心理が、“損を確定させる行動”を生む。
■暴落時の行動が「未来の成績」を決める
S&P500の過去データを見ても、暴落直後に売却した人と、積み立てを継続した人の成績差は歴然だ。
| 行動 | 暴落直後 | 5年後の結果 |
|---|---|---|
| 暴落で売却した人 | 元本割れのまま終了 | 再投資できず機会損失 |
| 積立を継続した人 | 一時的に含み損 | 数年後にプラス回復 |
暴落の底値を「予測」して売買するのは、プロでも難しい。
むしろ、底値を“迎え撃つ覚悟”で市場に残るほうが、結果的に合理的だったケースが多い。
■「儲かる人」は、未来を“確率”で考える
儲かる投資家は、短期の損益ではなく「確率」を基準に行動する。
暴落は確かに怖い。だが、暴落が来るたびに将来の期待リターンは上昇する。
価格が下がる=割安で買えるからだ。
たとえば、S&P500が20%下落した局面で積立を継続した投資家は、
過去30年間のデータで見ると、その後5年で平均+60%のリターンを得ている。
「下がるときほど買い時」という言葉は、統計的にも裏付けがある。
■「損した人」は、相場ではなく“自分”に負けた
暴落時に手放す人の多くは、「もう少し様子を見よう」「再び上がってから買おう」と考える。
だが、実際に市場が反発すると、「今から買うのは遅いかも」と尻込みしてしまう。
結果として、暴落でも買えず、上昇でも買えない。
相場に負けたのではなく、自分の感情に負けたのである。
一方で、儲かる投資家は「暴落=入場料」と割り切っている。
「長期投資の利益は、暴落を耐えた“痛み”の対価」だと理解しているのだ。
■暴落を「待ち構える投資家」になる
長期で成功する投資家は、暴落を「避ける」よりも、「受け入れる」姿勢を取る。
暴落を完全に予測することはできない。
だからこそ、暴落が来ても行動を変えなくて済むよう、あらかじめ備えておく。
- 毎月の積立額を自分のリスク許容度に合わせる
- 暴落時の「想定下落率」をあらかじめ決めておく
- 定期的にニュースを見過ぎない
このように“心理的な余裕”を作ることで、暴落が来ても冷静に行動できる。
■結論:市場に残る者が、最終的な勝者となる
投資の世界では、「暴落で損した人」は、損を確定させた人。
そして「得した人」は、暴落中も市場に残り続けた人だ。
マーケットは恐怖で売る人から、冷静に買い続ける人へと富を移転する。
結局のところ、暴落のたびに問われているのは、市場の強さではなく、投資家の心の強さなのだ。
🧭まとめ
- 暴落は「恐怖」ではなく「チャンス」として捉える
- 短期の感情ではなく、長期の確率で判断する
- 相場に残り続けた人だけが、複利の恩恵を受ける


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