――インフレ率120万%が“国家を崩壊させた日”
「インフレ率120万%」
数字だけ見ても、正直ピンと来ない人がほとんどでしょう。
しかしこれは単なる“経済指標の異常値”ではありません。
これは、国家が静かに、しかし確実に崩壊していく過程そのものです。
今回は、ベネズエラを例に
ハイパーインフレが人々の生活と国家をどう破壊したのかを見ていきます。
1. ハイパーインフレとは何か?
――「物価が上がる」では済まない世界
通常のインフレは、
- 物価が年2〜3%上がる
- 給料も少しずつ増える
という「調整可能な現象」です。
しかしハイパーインフレは違います。
- 今日の給料が、明日には紙切れ
- 朝と夜で物価が変わる
- お金を“持つこと自体が罰”になる
ベネズエラでは、
1年で物価が120万%上昇しました。
つまり――
年初に100円だったものが、年末には120万円になる世界です。
2. ベネズエラで実際に起きたこと
● 給料は「もらった瞬間に価値が消える」
- 月給をもらう
- すぐに買い物へ走る
- 数日後には同じ給料で何も買えない
人々は貯金をやめました。
貯金=自殺行為になったからです。
● 紙幣より「物」の方が価値を持つ
- 紙幣で家具を作る
- 紙幣で子どもが遊ぶ
- 紙幣を燃やして暖を取る
これは誇張ではありません。
通貨が通貨として機能しなくなったのです。
● 食料と医薬品が消える
価格統制により、
- 企業は赤字で商品を売れない
- 生産が止まる
- 店の棚が空になる
結果、
- パンを買うために数時間並ぶ
- 薬がなく、治る病気で命を落とす
インフレは命を奪います。
3. なぜ国家は止められなかったのか
理由は一つではありませんが、核心はこれです。
● 財政破綻を「紙幣増刷」でごまかした
- 赤字を埋めるために通貨を刷る
- 通貨の価値が下がる
- さらに刷る
- 完全な悪循環
一度このループに入ると、
正常な方法では抜け出せません。
4. ハイパーインフレが壊したもの
ベネズエラで失われたのは、お金だけではありません。
- 労働の意味
- 努力が報われる感覚
- 国家への信頼
- 未来への希望
人々は国を捨て、
数百万人規模の国外脱出が起きました。
国家は「ある」のに、
中身は空洞になったのです。
5. これは他人事なのか?
「ベネズエラは特殊だ」
そう思いたくなります。
しかし、
- 巨額の財政赤字
- 通貨増刷への依存
- 国民に説明されない金融政策
これらは、多くの国が抱えています。
ハイパーインフレは
ある日突然起きる災害ではありません。
「大丈夫だろう」という慢心の積み重ねが、
ある日、臨界点を超えるのです。
まとめ:ハイパーインフレとは“静かな国家崩壊”
戦争やクーデターのような派手さはありません。
しかし、
- 毎日少しずつ生活が壊れ
- 気づいた時には戻れない
それがハイパーインフレです。
ベネズエラの120万%は、
未来への警告です。
お金の価値が崩れるとき、
最初に失われるのは「安心」
最後に失われるのは「国家」なのです。


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