はじめに|損して終わらせない投資家になるために
株式投資において「損失を出す=失敗」と思っていませんか?
しかし、日本の税制は“損を活かせる”しくみが整っています。
それが、「損益通算」と「繰越控除」の制度です。
本記事では、損失を活かして節税するための具体的な方法と、年末に活用したい「損出し」テクニックを解説します。
1. 損益通算と「繰越控除」って何?
✅ 損益通算とは?
- 株や投資信託などの譲渡損失と利益を相殺できる制度
- たとえば、A株で10万円の利益、B株で7万円の損失があれば、差し引き3万円の利益に対してのみ課税される
✅ 繰越控除とは?
- 1年で損失が出て、相殺しきれなかった分は、翌年以降3年間にわたって繰り越し可能
- 条件:確定申告をすることが必要
2. 節税にもなる!「損切り」を活用する戦略
投資の世界では、損切りをためらうことがよくあります。
しかし、含み損のままでは税金上のメリットはゼロ。
売却して確定させてこそ、損失は節税に活かされます。
たとえばこんなケース
- 年間利益:30万円
- 含み損を抱えた株:20万円
→ このまま放置すれば、30万円に課税(約6万円の税金)
→ 含み損を損切りすれば、課税対象は10万円のみ(税金約2万円)
👉 結果:税金4万円分を節約
3. 「損出し」テクニックとは?
📌 年末恒例、節税の定番テクニック
「損出し」とは、含み損が出ている銘柄を一度売却して損失を確定させ、その後すぐに同じ銘柄を買い戻すこと。
これにより、保有ポジションは維持しつつ、損失だけ確定できる=節税効果が得られるというテクニックです。
✅ 注意点
- 同じ日に同じ証券口座で売買すると、損益通算の対象外になることがある
- 数日空けての再購入や、別の証券口座を使うなど、形式的な「同一売買」と見なされない工夫が必要
4. 繰越控除を活かすための3つのポイント
- 毎年確定申告が必要(繰り越しを継続するため)
- 年度ごとに損益を記録・把握しておくこと
- 利益が出た年に、過去の損失を活用することで節税最大化
まとめ|損を「資産」に変える投資家の思考法
損失はつらいもの。
でも、税制度を正しく使えば、その損失すら次の利益を守る武器になります。
「損しても、活かせる」
これが、投資家としての成熟の第一歩です。
コメント