「r>g」という考え方──働いても豊かになれない時代の生き方

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「r>g」。
経済学の世界では有名な、このシンプルな不等式があります。

r=資本収益率(株式や不動産などの運用で得られるリターン)
g=経済成長率(賃金やGDPの伸び)

フランスの経済学者トマ・ピケティが著書『21世紀の資本』で指摘した通り、「r>g」──つまり資本収益率は経済成長率を上回るのが歴史的な現実です。
言い換えれば、「働く人(労働者)」よりも「お金を働かせる人(資本家)」の方が、長期的には豊かになりやすい構造があるのです。


■ 労働だけでは、追いつけない理由

日本でも、実感として感じている人は多いでしょう。
給与はなかなか上がらないのに、株価や不動産価格は上がっている。
物価もじわじわ上がり、貯金の価値は目減りしていく。

まじめに働いても豊かになれないように感じるのは、この「r>g」の構造に逆らっているからです。
私たちは「g(経済成長)」の側にいる限り、どうしても「r(資本収益)」のスピードに置いていかれます。


■ サラリーマンでも「資本家」になれる方法

とはいえ、誰もがいきなり不動産や企業を所有できるわけではありません。
では、どうすればいいのか。
その答えが「積立投資」です。

S&P500や全世界株式インデックスファンドなど、企業の成長を丸ごと取り込む形で投資を続けること
これこそが、サラリーマンでも「資本家の一員」になれる最も現実的な方法です。

毎月1万円でも、長期で積み立て続けることで、世界中の企業の利益の一部を享受できるようになります。
つまり「働く」だけでなく、「お金にも働いてもらう」状態を作れるのです。


■ 時間が最大の味方になる

積立投資の最大の武器は「時間」です。
短期の値動きに一喜一憂する必要はありません。
長期で見れば、経済は成長を続け、企業の利益も積み上がっていきます。

たとえば、S&P500の平均リターンが年7%だとすれば、30年で資産はおよそ3倍〜4倍になります。
毎月1万円の積立でも、30年で500万円以上になる計算です(元本360万円に対して+約200万円の利益)。

労働だけでは到達できないリターンを、「時間」と「複利」の力が補ってくれるのです。


■ まとめ──「お金の流れ」を変える生き方を

「r>g」という不等式は、一見すると残酷です。
しかし見方を変えれば、誰でも資本家側に回るチャンスがあるというサインでもあります。

一生懸命働くだけでなく、
「お金を働かせる仕組み」をつくる。

積立投資とは、まさにその第一歩。
少額でもいい、コツコツ続けることで、
あなたも「r>g」の世界の恩恵を受ける側になれるのです。

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