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株式投資の世界でよく言われるのが「マーケットのタイミングを完璧に当てることは不可能」という言葉です。
この言葉が決して誇張ではないことを示す、衝撃的なデータがあります。
それが JPモルガンの統計(2003〜2022年)です。
📅 前提条件
- 対象期間:2003年1月〜2022年12月(20年間)
- 営業日数:約5,000日(1年=約250営業日)
- 投資対象:S&P500
- 投資額:10,000ドル(約150万円)
👉 この期間、ずっと投資し続けた場合の最終資産額は $64,844 でした。
ところが──
👉 「たった60営業日」市場から外れていただけで
👉 最終金額は $4,205 にまで激減。
これは リターンの93%を失う 計算になります。
📉 なぜ「60日」逃すだけでここまで差が出るのか?
理由はシンプルです。
👉 株式市場のリターンは 「ごく少数の超・好パフォーマンスの日」 に集中しているからです。
リターンが毎日均等に1%ずつ上がる世界なら、60日逃しても影響は限定的でしょう。
でも実際のマーケットはそんな単純ではありません。
- ある日は +0.1%
- ある日は −0.3%
- そしてある日は +10% という大幅上昇💥
この 「ごくわずかな大上昇日」 を逃すと、
複利の成長エンジンが大きく削がれてしまうのです。
📅 実例:リーマンショックとコロナショック
過去20年の「ベストな10日間」は、ほとんどが暴落の直後に発生しています。
- 2008年10月13日 +11.6%(リーマンショック直後)
- 2008年10月28日 +10.8%
- 2020年3月13日 +9.3%(コロナショック直後)
- 2020年3月24日 +9.4%
つまり、最悪の局面の直後に最高の上昇日が来るのです。
恐怖で市場から逃げてしまうと、この回復の波に乗ることはできません。
🧮 60日を逃したときのインパクト
| 条件 | 最終資産額 | 損失額 | リターン減少 |
|---|---|---|---|
| すべての日に投資 | $64,844 | – | – |
| 10日逃す | $29,708 | ▲$35,136 | 約−54% |
| 30日逃す | $11,701 | ▲$53,143 | 約−82% |
| 60日逃す | $4,205 | ▲$60,639 | 約−93% |
20年=5,000営業日のうち、たった 1.2%の期間 です。
それだけで、資産は15分の1にまで減ってしまいます。
🧭 投資で本当に重要なこと
① 市場を当てるより「居続ける」
タイミング投資はプロでも困難です。
マーケットに居続けることで、ベストな日を逃さないことがリターンのカギになります。
② 暴落時こそチャンス
リターンは「恐怖の直後」にやってきます。
他人が逃げているときに市場にとどまれるかどうかが勝負です。
③ 複利は「時間 × 元本 × リターン」で最大化
タイミングよりも「長期・積立・分散」こそが資産形成の王道です。
✅ まとめ
- 株式市場では、ごく一部の日 がリターンの大半を生む
- その日は暴落直後に集中している
- 「60日」を逃すとリターンの93%を失う
- 最強の戦略は “Stay Invested(市場に居続ける)”
📝 一言でいうと:
「投資で勝つ人」は、市場を完璧に当てる人ではなく、逃げなかった人。


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