近年、資産保全とリスク資産のバランスを取る上で、「ゴールド(貴金属)」だけでなく「ビットコイン(BTC)」もポートフォリオの選択肢として注目され始めた。両者には役割の違いがあるものの、時代の変化とともにその関係性が刻々と変化している。今回は、ビットコインの最新動向を交えつつ、金との比較を軸に、「分散と成長の両立」をテーマに整理してみよう。
🔍 最新のビットコイン情勢(2025年10月時点)
- 新高値更新の勢い
ビットコインは2025年10月、$125,000を超える史上最高値(ATH)を更新したとの報道がある。Tom’s Hardware+2Investopedia+2
この上昇局面を牽引したのは、ETF(上場投資信託)を通じた資金流入、機関投資家の買い、そしてドル弱含みやインフレ懸念を背景とする「価値保存資産」への逃避だ。ブルームバーグ+6Mitrade+6CoinDCX+6 - 強気見通しと警戒シグナル
● Bitwiseはビットコインの“フェア・バリュー”を$230,000と予想。Cointelegraph
● 「クリーンなトレンド指標」が点灯し、$200,000への上昇可能性を示すとの分析も出ている。Cointelegraph
● 一方で、日本の国債利回りが17年ぶり高水準に上昇しており、高金利環境下ではリスク資産への資金流入が抑制されるとの懸念も指摘されている。CoinDesk - 制度やインフラの変化(日本)
● ソフトバンク系PayPayがBinance Japanの株式の40%を取得し、PayPay残高で仮想通貨を購入できる仕組みを準備中。Cointelegraph+3Reuters+399Bitcoins+3
● 日本国内では、暗号資産の規制整備が進む可能性もささやかれており、新政権の政策にも注目が集まる状況だ。TradingView+1
● また、Chainalysisの報告では、2025年上半期の日本のオンチェーン取引量は前年比で120%増加。Coinpedia Fintech News
💡 ビットコイン投資のチャレンジと使いどころ
- ボラティリティの高さ
ビットコインは価格変動が非常に大きいため、短期売買では予想を裏切るリスクもある。 - 制度リスク・規制変化
政府や金融当局の方針次第で税制や取引制限が変わる可能性がある。 - 分散投資の一手としての位置付け
既存の株式や債券、ゴールドに加えて、リスク許容度に応じてポジションを持つことで、リターンの機会を拡げる役割がある。
ビットコインは「成長資産」に近く、価値上昇の可能性を秘めているが、変動リスクを十分に理解した上で扱うべきだ。長期保有であれば価格調整を乗り越えられる可能性がある。
📈 「1万円 × 25年」ゴールド積立との対比
先日お伝えしたゴールド積立のシミュレーション(2000年~2025年、毎月1万円)では、元本294万円が1,874万円相当になった試算を用いた(価格は1g=2万円換算)。(この試算は仮定ベースである)
ビットコインは過去20年歴史が浅いため、同じ条件で長期積立を検証するにはデータが限定されるが、過去5~10年スパンで積立した場合には、ゴールドを上回るリターンを示した期間も存在する。
つまり、金とビットコインは「性格の異なる資産クラス」であり、互いを補完する関係になり得る。


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