■はじめに
2025年初頭、ビットコインは急激な上昇を見せたものの、2月以降は値を落とし、「このまま下落トレンド入りか」と不安が広がりました。
しかし、春を迎えるころには再び上昇に転じ、現在では過去の高値に迫る水準まで戻しています。
この意外とも言える回復の背景には、一体何があったのでしょうか?
この記事では、2025年2月以降のビットコインの値動きを振り返りながら、その要因と今後の展望を、あくまで予想の範囲で読み解いていきます。
■2月以降のビットコイン:下落の背景とは?
●利確売りとETF承認後の反動
2024年1月にビットコイン現物ETF(上場投資信託)がアメリカで承認され、大きな上昇トレンドが発生しました。
しかし、承認後の「事実売り(Buy the rumor, sell the news)」が発生し、2月にかけて調整局面に突入。多くの投資家が利益確定に走ったことで、価格は一時的に下落しました。
●マクロ経済の不安要素
同時期、米国の金利政策やインフレ指標への不安が再燃。リスク資産全体への投資がやや控えられ、ビットコインもその影響を受けました。
●過熱感とRSIの調整
テクニカル的にも、1月時点でビットコインは「過熱圏(RSI70超)」にあり、自然な調整が起きたと考えられます。
■なぜビットコインは持ち直したのか?
●再び注目される「半減期」
ビットコインは約4年に1度、マイニング報酬が半減する「半減期」を迎えます。2024年4月に予定されていたこのイベントを前に、供給量減少への期待から価格が再び上昇トレンドへ。
この「半減期バブル」は過去にも何度か繰り返されてきた現象です。
●ETFへの資金流入が継続
一時的に調整したものの、現物ETFを通じた機関投資家の資金流入が続いており、需給バランスが改善。ボラティリティを抑える形での“安定した上昇”が見られています。
●世界的な法整備の進展
米国や欧州を中心に、仮想通貨規制が整いつつあることで「リスク資産から、投資対象へ」と見方が変わり始めています。これにより長期保有(HODL)層が増え、価格を支える要因となっています。
■今後のビットコイン:どう動くのか?(予想)
あくまで予想ですが、今後の展開は以下のようなシナリオが想定されます。
●シナリオ1:新高値を目指す強気相場(ポジティブ要因)
- 半減期後の供給圧縮による上昇圧力
- 米国の利下げ観測(年後半)が現実化
- ETF経由の機関投資家マネーが加速
これらが重なれば、ビットコインは過去最高値(約69,000ドル)を突破し、「10万ドル時代」への布石になる可能性も。
●シナリオ2:再びレンジ内に戻る(中立的要因)
- 半減期後の材料出尽くし感
- 金利動向が中立~高止まりのまま推移
- 世界情勢や規制の一時的な逆風
この場合、しばらくは4万〜6万ドル付近のレンジで揉み合う展開になるかもしれません。
●シナリオ3:再下落(ネガティブ要因)
- 米国経済のリセッション入り
- 規制強化や大規模ハッキング事件
- テクニカル的な上昇疲れ・出来高減少
不安要素が複合的に重なった場合には、再び調整局面に入り、3万ドル台までの下落も視野に。
■まとめ:市場は常に期待と不安のせめぎ合い
仮想通貨市場は非常にボラティリティが高く、予想が当たりにくい領域です。
しかし、長期的な視点で見ると、ビットコインは着実に制度や市場の信頼を得つつあります。
「今が買い時か、売り時か」ではなく、「なぜ今こう動いているのか?」を理解することが、次の行動に活かせるはずです。
価格の上下に一喜一憂せず、冷静な目でマーケットを見守りましょう。
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