■はじめに:ある農夫と“奇跡のガチョウ”の話
昔々、一人の農夫がいました。
彼の飼っていたガチョウは、ある日、黄金の卵を産みました。最初は農夫も驚きつつ、その卵を売って生活を少しずつ豊かにしていきます。
ところが──
農夫はやがて**「もっと早く金持ちになりたい」と欲を出し、ガチョウの腹を切り裂いて中の黄金を一気に取り出そうとしました。
しかし、そこには何もありません**でした。
黄金の卵はもう産まれない。
農夫は、欲をかいたばかりに、すべてを失ってしまったのです。
■寓話の解説:この話が伝えたいこと
この寓話は、古代ギリシャから語り継がれる「欲張りすぎるな」という教訓の象徴です。
手堅く得られる小さな利益(=黄金の卵)を、焦ってまとめて得ようとした結果、元手(=ガチョウ)すら失ってしまうというストーリー。
この話は、古代でも現代でも変わらず、人間の心理を見事に突いています。
そして──これは投資の世界でも、まさに同じことが言えるのです。
■投資における“黄金の卵”とは?
投資の世界で言う“黄金の卵”とは、次のような安定した利益のことです:
- 配当金
- インカムゲイン(利子・不動産収入など)
- 長期的な資産成長(株式・仮想通貨・ETFなど)
日々は少しずつの利益かもしれませんが、それをコツコツ積み上げることこそ、最も現実的で再現性のある投資法です。
■しかし、欲望はこうささやく
「もっと稼げる方法があるんじゃないか?」
「短期で何倍にもなるコインがあるはずだ」
「今が天井? それなら売らなきゃ」
「もっと買い増せば…!」
そして──
手堅い投資をしていたはずが、大きなリスクを伴う投機へと足を踏み入れ、やがて全てを失う…。
これはまさに、ガチョウを裂いた農夫と同じです。
■“腹を裂かない”投資家になるには?
現代の私たちは、農夫ほど単純ではありません。
でも、同じような心理的ミスは日々起こっています。
▷ 投資における「ガチョウを守る」方法:
- 自分の投資ルールを守る(例:5年間は売らない、など)
- 元本を取り崩さず、リターンのみ使う
- 欲に目がくらみそうになったら、一歩引いて**「本来の目的」を見直す**
- **FOMO(取り残される恐怖)**に惑わされない
■仮想通貨や新興市場では特に注意!
ビットコインやイーサリアム、草コイン──これらは成長のチャンスと同時に欲との戦いの場でもあります。
・「もっと上がるはず」
・「今逃したら二度と買えない」
・「10倍確実」
そういった幻想の先には、ガチョウのいない空っぽの世界が待っているかもしれません。
■まとめ:「ガチョウを殺すな、自分の手で」
イソップの寓話は、2000年以上たっても色あせません。
私たち投資家もまた、「小さな利益の継続こそが、本当の黄金の道」であることを忘れてはいけません。
焦らず、欲張らず、淡々と。
あなたの手元にある“ガチョウ”を、大切に育て続けましょう。
コメント