はじめに
毎月第一金曜日、日本時間21:30に発表される米国雇用統計(NFP)。
この瞬間、相場は大きく動きます。
典型的な流れ:
- 発表直後に一方向へ急騰・急落(第一波)
- 数分~十数分後、反発(引き波)が発生
- 落ち着いて再びレンジ or 次のトレンド
このような動きは、事前に準備された戦略があれば高確率で「両方の波」に乗ることが可能です。
しかもそれを感情でなく、ルールやロジック=システムで実行することで、トレードの精度が格段に向上します。
指標発表直後の動きと特徴
| タイミング | 動き | 解説 | 
|---|---|---|
| 0〜10秒後 | スプレッド拡大、急騰or急落 | 高速注文はスリッページに注意 | 
| 10秒〜1分 | 一方向への大きな流れ(第一波) | 指標の内容に反応した「本流」 | 
| 1分〜10分後 | 引き波、逆方向への一時的戻し | 利確売り・自動売買の巻き戻し | 
| 10分以降 | 次の展開(再トレンド or レンジ) | 慎重な再エントリーが必要 | 
柔軟に対応するトレードの核心:「波+引き波」の二段階戦略
このタイプのトレードでは、以下の2つを狙います。
✅ 第1波:「指標の方向」へ乗る(ニュース・スパイク)
- 例)雇用統計が予想を大幅に上回る → ドル高(買い)
- 数秒~数分で大きな値動きがあり、短期利確狙い
✅ 第2波:「巻き戻し」に乗る(逆方向の反発)
- 第一波でポジションを持った人が利確 → 反動で逆方向へ動く
- 一時的に価格が元の位置に戻るので、逆張りで利を取れる
システム的に波を取る手法の設計例
ステップ①:事前の準備
| 項目 | 設定例 | 
|---|---|
| 時間監視 | 指標発表の10分前から待機 | 
| 経済カレンダー | 雇用統計などの内容を確認 | 
| スプレッドチェック | 発表直後は拡大するので注意 | 
ステップ②:第一波を取る「瞬間トレード」
●方法:
- 指標発表後、「数秒間で一方向へ抜けたら自動エントリー」
- ロジックはシンプルでOK:
- 5秒足で直近高値を上抜けたら買い
- または「指標内容が明確なポジティブ」なら手動即エントリー
 
●ロジック例(疑似コード):
javaコピーする編集するif CurrentTime == 指標発表直後:
    if BidPrice > High(直近20秒):
        BuyEntry
        Set TP = +20pips
        Set SL = -10pips
ステップ③:引き波で逆張りエントリー(利確組に乗る)
●逆張りポイントの見極め:
| 指標後の動き | 反発しやすい価格帯の例 | 
|---|---|
| 高騰→急落 | フィボナッチ38.2% or 50% | 
| 安値更新後の反発 | ボリンジャーバンド下限 | 
| 一方向の失速 | RSIが極端な買われ/売られ | 
●自動逆張りロジックの例:
javaコピーする編集するif Price touches UpperBand and RSI > 75:
    Place ShortEntry
    TP = フィボナッチ38.2%
    SL = ボラの上限+α
感情を排除するためのルール設定
- トリガーを明確に数値化
- 損切りと利確は必ず事前設定(自動注文)
- 「絶対に追いかけない」ルールを徹底
- 指標後10分以降はエントリーしない(混乱回避)
指標トレード戦略をまとめたフロー
markdownコピーする編集する1. 経済カレンダーで重要指標を確認  
2. 10分前からチャート監視、スプレッド確認  
3. 発表後、第一波を狙ってブレイクエントリー  
4. 第一波が落ち着いたら、反発ラインに逆張り指値  
5. どちらもTP/SLを自動設定して放置  
6. トレード結果を記録・分析し改善
まとめ:柔軟なトレードとは「即興」ではなく「準備と再現性」
大きな経済指標の発表時には、チャンスと同時にリスクも大きくなります。
しかし、「一方向への波」と「引き波」のパターンはかなりの確率で繰り返されるため、統計的に優位な戦略を用意すればシステマチックに利益を狙うことが可能です。
| ポイント | 内容 | 
|---|---|
| 柔軟とは即興ではない | あらかじめ複数の動きに備えておく | 
| 感情を排する | すべては数値・条件・ロジックで判断 | 
| 雇用統計などは練習向き | 毎月同じ時間・同じ条件で検証可能なので最適 | 
 
 


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