金(ゴールド)は、長期的な資産保全やインフレ対策として、多くの投資家から注目を集めています。特に2000年代以降、その価格は顕著な上昇を見せています。本記事では、2000年代から2025年までの金価格の推移、毎月1万円ずつ金を購入していた場合の現在の評価額、そして今後の価格動向について考察します。
2000年代から2025年までの金価格の推移
2000年当時、金の価格は1グラムあたり約1,000円でした。その後、世界的な経済不安や金融危機、地政学的リスクの高まりなどを背景に、安全資産としての金の需要が増加し、価格は上昇傾向を続けました。2023年には、最高値が1グラムあたり9,935円を記録し、2025年2月13日には15,909円と、2000年から約15倍以上の上昇を見せています。
この価格上昇の要因として、中央銀行による金の積極的な購入や、米国の関税政策による経済的不確実性の増大が挙げられます。特に、2025年にはゴールドマン・サックスが年末の金価格予想を1オンス=3,100ドルに引き上げるなど、専門機関からも高値予想が発表されています。
毎月1万円ずつ金を購入していた場合の現在の評価額
2000年から2025年2月までの25年間、毎月1万円ずつ金を購入していたと仮定します。この場合、総投資額は1万円×12ヶ月×25年=300万円となります。
購入当初の2000年の金価格は1グラムあたり約1,000円でしたが、その後価格は上昇を続け、2025年2月13日には1グラムあたり15,909円に達しています。単純計算で、2000年に購入した1グラムの金は、2025年には約15倍の価値になっていることになります。
毎月の購入価格は変動しますが、平均的な購入価格を仮に5,000円とすると、300万円÷5,000円=600グラムの金を保有していることになります。現在の価格で評価すると、600グラム×15,909円=約954万円となり、投資額の約3倍以上の評価額となります。
ただし、実際の平均購入価格や手数料、保管コストなどを考慮すると、正確な評価額は変動します。また、ドル建ての金価格や為替レートの影響も受けるため、詳細な計算には注意が必要です。
今後の金価格の動向
2025年2月現在、金価格は歴史的高値を更新しています。ゴールドマン・サックスは、中央銀行の継続的な需要を背景に、2025年末の金価格予想を1オンス=3,100ドルに引き上げています。
一方、モルガン・スタンレーは、第4四半期に1オンス=2,700ドルまで下落する可能性を指摘しており、専門家の間でも見解が分かれています。
金価格の動向は、世界経済の状況や地政学的リスク、中央銀行の政策など多くの要因に左右されます。特に、米国の関税政策や各国の金融政策、インフレ率などが金価格に大きな影響を与えると考えられます。
長期的には、金の採掘コストの上昇や埋蔵量の限界などから、供給面での制約が価格を下支えする要因となる可能性があります。また、世界的な経済不安やインフレ懸念が高まる局面では、安全資産としての金の需要が増加し、価格上昇につながることが予想されます。
しかし、短期的な価格変動もあり得るため、投資を検討する際は、最新の市場動向や専門家の意見を参考にし、リスクを十分に理解した上で判断することが重要です。
金への投資は、長期的な資産保全やポートフォリオの分散効果を期待できますが、市場の変動要因を常に注視し、適切なタイミングでの投資判断が求められます。
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