以下は、2025年1月1日現在の視点から、過去30年間の日本株インデックス投資における3つの投資方法の成績を検証した場合の例となります。なお、以下の考察はあくまでシミュレーションや過去の一般的傾向に基づくものであり、将来の結果を保証するものではありません。
はじめに
日本株インデックスは、バブル崩壊後の低迷期を経て、少しずつ回復基調にあるといわれています。ここでは、1995年(30年前)の時点で360万円の資金を使って、以下の3つのシナリオで投資した場合、2025年1月1日の資産額はどうなっているのかを検証してみます。
1. 一括投資
30年前に360万円を一度に投資する方法。
2. 年初積立投資
毎年1月1日などの年初に12万円ずつ、30年間(合計360万円)投資する方法。
3. 毎月積立投資
毎月1万円ずつ、360ヶ月(30年間)投資する方法。
投資手法の特徴
一括投資
一括投資は、保有資金がまとまっている場合に、すぐに市場に投入できるため「早期投資」の効果を享受できます。市場が長期的に上昇傾向にあれば、早い段階から資金を働かせることで、複利効果が最大化されるのが大きなメリットです。
ただし、タイミングが外れると大きな下落リスクに晒される可能性があるため、投資タイミングの判断が難しい側面もあります。
年初積立投資
年初に12万円ずつ投資する方法は、投資タイミングの分散効果が期待でき、ある程度のドルコスト平均法の効果が得られます。一括投資ほどの早期運用は難しいものの、相場の大きな変動リスクを抑えることができるため、精神的な安心感も得られます。
毎月積立投資
毎月1万円ずつの積立投資は、さらに細かく市場へのエントリータイミングを分散する手法です。これにより、月々の市場変動に左右されず、長期的な平均購入単価を低減できる可能性があります。価格が下がった月には多くの口数を買えるというメリットもあり、極端なボラティリティに対する防御策として有効です。
過去30年のシミュレーション結果(例)
過去のデータやシミュレーション研究では、一般的に市場全体が長期的に上昇している場合、一括投資が最も有利であることが示されています。理由は、投資開始時点で全資金を市場に投入できるため、長い期間分の複利効果をフルに活用できるからです。
【シナリオ別の期待できる傾向】
1. 一括投資
・メリット:早期から資金が市場に回るため、成長効果・複利効果が最大化される。
・デメリット:市場のスタート時点が高値圏であった場合、短期的な下落リスクが大きくなる可能性。
2. 年初積立投資
・メリット:毎年一定のタイミングで投資するため、価格変動リスクが分散される。
・デメリット:一括投資に比べると、投資資金の一部が市場に入るのが遅れるため、長期的な成長効果がやや薄れる。
3. 毎月積立投資
・メリット:さらに細かくタイミングを分散できるので、極端な相場変動時の影響を抑えやすい。
・デメリット:年初積立と同様、早期に市場に全資金を投入できないため、成長効果は控えめになる場合がある。
過去30年間の日本株インデックスの全体的なトレンドが上向きであったと仮定すれば、【一括投資】が最も高いリターンを生んだと考えられます。次いで【毎月積立投資】、そして【年初積立投資】という結果になる可能性が高いのです。
まとめ
・一括投資:30年前の360万円を一度に市場に投入した場合、長期間にわたり複利効果を最大限に活かすことができ、最も高い成績を期待できる。
・年初積立投資:毎年12万円ずつ投資する方法は、タイミングのリスクを分散できるが、資金が市場に完全にフル投入されるまで時間がかかるため、リターンは一括投資に比べると控えめとなる可能性がある。
・毎月積立投資:毎月1万円の積立は、より細かく市場変動のリスクを分散できるが、一括投資ほどの早期運用効果は得られにくい。
このシミュレーションでは、仮に過去30年の日本株インデックスが長期的に上昇していたとすれば、最も成績が良いのは【一括投資】となる傾向があります。ただし、実際の投資では「いつ市場に入るか」というタイミングや心理的なリスク管理も重要な要素となります。資金の性質や投資目的に応じて、慎重に投資手法を選ぶことが大切です。
※本記事は過去の傾向に基づいたシミュレーション例であり、将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の状況やリスク許容度を十分に考慮して行ってください。
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