虎に乗って走り出してしまった以上、途中で降りると食われてしまう。
→ つまり「もう引き返せない」状況を意味します。
この成語を使い、年金制度に依存してきた社会と個人のリスクを考察しつつ、これからどうすべきかを投資や準備の観点から解説します。
【故事成語×老後マネー】「騎虎の勢い」から考える|年金制度に頼り切る危うさ
「日本の年金制度はもう限界では?」
「将来、本当に受け取れるのだろうか…?」
そんな不安を抱える人が多い中で、私たち日本人はすでに「ある状況」に陥っています。
それが、故事成語で言うところの——
「騎虎の勢い(きこのいきおい)」
🐅 騎虎の勢いとは?
中国の古典『後漢書』に出てくる言葉で、
虎にまたがって進んでしまえば、途中で降りれば命を失う。だから止まれない。
というたとえ話です。
つまり:
- もう始めてしまった計画
- 後戻りできない社会構造
- 続けるしかない流れ
このような「退けない状態」を表します。
🧓 日本の年金制度=騎虎の勢い?
日本では、現役世代が高齢者を支える賦課方式の年金制度が長年続いてきました。
かつては人口も右肩上がりで「支える側」が多かったため、この仕組みはうまく回っていました。
しかし現在は:
- 少子高齢化が進行
- 支える人:支えられる人のバランスが崩壊
- 制度を維持するには給付削減 or 増税が必要
つまり、「続けるしかないが、続けるほどに苦しくなる」
それこそ “騎虎の勢い” なのです。
💸「制度に頼りきる危うさ」|受け取れる額の現実
現状の目安(月額) | 金額 |
---|---|
国民年金(満額) | 約6.6万円 |
厚生年金(平均) | 約14.7万円 |
物価高・医療費増・税金増の中で、これだけで暮らせるとは言い難いのが現実です。
それでもなお、「年金は国が何とかしてくれるだろう」と信じるのは、虎にまたがって安心しているだけかもしれません。
🛡️ 年金“以外”の柱を持つことが虎から降りる術
“虎にまたがったまま”では未来は不安定です。
ではどうするか?
虎から無理に飛び降りるのではなく、“別の道”をつくることが大切です。
🔄 自助の3本柱
柱 | 内容 |
---|---|
積立投資(NISA・iDeCo) | 長期の分散投資で「育てる資産」を作る |
働ける環境を整える | シニアでも働き続けられる「場」や「スキル」 |
支出を見直す | 固定費削減・生活のダウンサイジングなど |
✍️ 故事成語的まとめ|「虎を降りる」には準備がいる
「騎虎の勢い」とは、勢いで始めてしまい、もう後戻りできない状態。
日本の年金制度も、私たち個人のマネープランも、同じ状況にあるのかもしれません。
しかし、「降りられない」からといって無策で突き進むのは危険です。
降りる準備をしよう。
虎を乗りこなすのではなく、そっと地面に降りて歩くために。
それが、自分の力で老後を整える第一歩です。
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